至福のおもてなしに満ちあふれた宿で
伊豆の絶景と海の幸を心ゆくまで堪能
【静岡県・北川温泉】吉祥CAREN

驚きの連続！ 豪快かつ繊細な鉄板料理に舌鼓

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　温泉旅館の料理は一択であることが多いけれど、吉祥CARENの料理はバリエーション豊富。フレンチ懐石、鉄板焼、和懐石の3つのレストランがあり、どのレストランもおいしくて、盛り付けのセンスもすばらしい。この宿には何度か泊まったことがあるけれど、行くたびに新しい発見がある。

　この日は、シェフのライブ感あふれるパフォーマンスが楽しめる鉄板焼青竹でディナー。前菜は近海の地魚盛り合わせ、お造りは金目鯛、カンパチ、タチウオの3種盛り。オナガダイとマグロの手毬寿司は、姉妹館「つるや吉祥亭」の20周年記念を祝って出されたもので、金色の器が彩りを添える。

　魚料理は「伊勢海老と金目鯛のアンサンブル」。付け合わせは徳島のわかめとニンニクだ。

　金目鯛には濃厚な香りと甘みのある貴腐ワインのクリームソース、伊勢海老にはエビの殻を炒めて甘みとコクを出したオレンジ色のアメリケーヌソースがかかり、ひと口食べると魚介の旨味と風味が広がる。

　金目鯛のお頭は味噌汁でいただくことが多いけれど、鉄板料理の凝縮した旨味は驚きのおいしさだ。

　メイン料理のお肉を選ぶのも楽しい。国産牛フィレ、鹿児島県産黒毛和牛サーロイン、天城の鹿肉の3種類から1つ選ぶか、2分の1カットを2種類選ぶというスタイル。

　この日は黒毛和牛と天城の鹿肉を頼んだのだが、淡白なイメージの鹿肉が思った以上に旨味が強い。「低脂肪高タンパクでヘルシーな鹿肉は、ボディビルダーの人が好んで食べるんですよ」と料理人の大石さん。天城には鹿肉の処理肉工場があるため、猟師が仕留めた鹿肉を血が回らないうちに処理して、おいしい食肉を提供できるらしい。

　朝食は和食、洋食を宿に到着してから選択可能。伊豆の干物などカラダにやさしい和食膳、焼きたて卵料理の鉄板ブレックファーストから選ぶことができる。

　至るところで見られる自由度の高さは、旅館とホテルを融合した吉祥CARENならでは。気分に合わせて、思い思いの休日を満喫したい。

文・撮影＝野添ちかこ