週末に、心が洗われる別世界へ出かけてみるのはいかが。少し車を走らせれば、そこにはおもてなしの心に満ちた極上の宿が待っている。

 旅行作家の野添ちかこさんが、1泊2日の週末ラグジュアリー旅を体験。今回訪れたのは、静岡県・北川温泉にある吉祥CAREN。

 滞在とともに満足度がアップするおもてなしのサービスが魅力的な、海の絶景とスゴ腕鉄板料理が女心をくすぐる和リゾートだ。


ふんわりパンケーキと絶景風呂を満喫

 東名高速道路から小田原厚木道路を経由して、熱海、伊東といった海沿いの温泉地を走り抜けて進むこと約2時間30分、ムーンロードで有名な北川温泉が見えてくる。

 キラキラ光る海景色を眺めながらのドライブは、日常から解き放たれたようで心地いい。

 コロナ禍で外食する機会が減っている今、せっかく旅をするならば、料理のおいしい宿に出かけたい。ついでに、絶景風呂があったらもっといい。そして、できたらスパでリラックスしたい。そんな欲張りな要望に応えてくれるのが、海を一望する伝統あるこちらの宿。

 チェックインしたら最初のお楽しみは「鉄板で焼くパンケーキ」。よくあるウェルカムドリンクとお茶菓子の代わりに、この宿では焼き立てパンケーキが食べられる。

 鉄板で焼くから、パンケーキの外側はパリッと、中はふんわり。しかも、フルーツやジャム、わさびソフトなどのトッピング付き。ドリンクは伊豆ぐり茶、ローズヒップティー、健康フルーツジュースなどから選べるのが楽しい。

 パンケーキを頬張ると、幸せモードがスイッチオン! 午後3時30分をまわると食べ損ねてしまうから、早めに宿にチェックインすることをおすすめしたい。

 海沿いにある北川温泉は、満月の前後には海面に月の光が反射した、日本百名月に認定の「ムーンロード」が現れることで有名な温泉。

 泊まった日は残念ながら闇夜だったのでムーンロードは見られなかったけれど、朝、目覚めてすぐに大浴場に向かうと、水平線から昇る朝日で照らされた美しい海の光景が。

 露天風呂に浸かりながら、朝日のエネルギーを全身で受け止める至福の時間。活動を始めたばかりの鳥たちの声が耳に心地よく響いてくる。

 宿では、湯上がりビールにところてん、夕方には中庭で夕食前のスパークリングワインなどのアペリティフ、夜はロビーでスイーツサービスも行っていて、幸せ気分が高まるおもてなしが満載。

 海藻や海塩を使ったタラソテラピーのスパや、レストランのシェフ直伝のフランス料理の体験教室(滞在中またはチェックアウト日の11〜13時、1,815円)もあるので、参加してみるのも楽しそう。

文・撮影=野添ちかこ