おもてなしの心と地元の食材が魅力的な岩手の食文化。岩手県内のさまざまな地域に根付いた郷土の味をご紹介します。

 レストランや朝市など、岩手でぜひ訪れてほしいおすすめのグルメスポットを7つご紹介。

 今回は、1年に約300日も開催されている全国的にも珍しい朝市。“美味しい出合い”を求め、早朝から賑わう朝市へ足を延ばしてみた。


岩手の郷土料理が温かく出迎えてくれる

◆盛岡神子田朝市(もりおかみこだのあさいち)

 はじめて訪れる街を歩いていると、自分が旅行者であることを意識させられる瞬間があるのではないだろうか。地元の人の会話を聞いたとき、コンビニの陳列棚が普段通っている店とは随分異なるのに気づいたとき。

 そう感じる瞬間は旅の途中に何度もあり、「これぞ旅の醍醐味だ」と嬉しく思う一方、なんだか慣れない街の雰囲気に緊張してしまうことも。

 そんな寂しさを払拭してくれるのが、この「盛岡神子田朝市」。盛岡駅から車で10分ほど行ったところにあるこの朝市は、はじめて訪れた人たちを温かく迎え、安心させてくれる空気が流れているのだ。

 見たことのない岩手産の野菜を眺めていると「これは唐辛子と一緒に煮るのが一番」とすぐに教えてくれるし、「一口食べていって」とゆでた枝豆をおすそ分けしてくれる。控えめだけれども、親切。その塩梅がちょうどいい。

親しみに溢れた郷土料理を手軽に食べられる喜び

 辺りを見ながら歩いていると郷土料理ひっつみのお店が目に入ってくるはず。

 ひっつみは、古くは米作りに向かなかった寒冷地・青森県南東部から岩手県北中部に伝わった郷土料理で、季節の野菜と、薄くのばした小麦粉の生地を煮込んだもの。

 優しい出汁の香りと、生地のシコシコとした独特の食感が、旅先で緊張していた心をほぐしてくれる。市場に行き交う人々だけでなく、料理も優しいので、岩手という地が自分を迎え入れてくれたような感覚を覚えるだろう。

 ちょっと休憩したいなら市場内の珈琲屋さんに立ち寄ったり、起き抜けで食欲があまりなければ、惣菜やおにぎりを買って帰り、ホテルで食べたりしたっていい。

 決して大きくはないのに、旅人のあらゆるニーズに応えてくれる、懐の深さがこの朝市にはある。

 地元の人と旅人を分け隔てなく迎えてくれる“ひらかれた″場所である盛岡神子田朝市。盛岡を訪れた際はぜひ立ち寄ってほしい。

盛岡神子田朝市(もりおかみこだのあさいち)

所在地 岩手県盛岡市神子田町20-3
電話番号 019-652-1721
営業時間 5:00~8:00頃
定休日 月曜(5~12月の祝日の月曜は営業)
http://www.morioka.jp/mikoda/

Feature

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Text=CREA編集部
Photograhs=Atsushi Hashimoto

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在は異なる場合があります。