存分に島旅を満喫するならば、より佐渡らしさが感じられる宿を訪れたい。
風にゆれる稲穂のざわめき、満天の星と潮騒、空気すらも美味しい美食の宿で、記憶に残る一夜が待っている。
おすすめの3軒をご紹介。
島のあらゆる素材を探求し尽くす進化系フレンチ
◆ステイ:on the 美一(オン ザ ビイチ)
◆グルメ:SEISUKE Next Door(セイスケ ネクストドア)
夏も澄んで美しい、遠浅のビーチが広がる立地にほれ込んで、ゲストハウス風のプチホテルを構えた家主の山内三信さん。
真野湾に面した宿にはリトリートルームとレストランを併設し、島の人たちも楽しめる空間とした。
山内さんと意気投合し、宿の1階にフレンチレストランを構えたシェフの尾崎邦彰さん。
島の森の中で1日1組の炭火焼フレンチを営む傍ら、佐渡で食に携わるならソースや調味料などベースから佐渡モノで極めたコースを組み立てたいと活動の場を増やした。
「素材が良すぎて、焼いただけで出したくなるから困る」というほどパワーみなぎる魚介や野菜は、臭み消しの香味野菜やスパイスは一切不要。丹念な下ごしらえは施すが、水と魚だけでもクリアな旨みのフォンになる。
生命力溢れる食材は魚だけではなく、野草や木の実も料理の名脇役に。
地元では雑草扱いされているヘラオオバコは、生のつぼみのきのこのような香りをソースに移したり、乾燥させて生まれる甘い風味をハーブティーに生かしたり。
島内の人は身近な食材の華麗なる変貌に驚き、島外の人は初めて出合う味に嘆息をもらす。
どの皿もソースは淡く主張しすぎないが、最後には深い満足感でいっぱいになり、佐渡の磁力にすっかり魅了されている。
on the 美一(オン ザ ビイチ)
所在地 新潟県佐渡市河原田諏訪町207-76
電話番号 0259-58-7077
客室数 5室
料金(1名) 6,000円~(1室1名利用)
https://bi-ichi.com/
SEISUKE Next Door(セイスケ ネクストドア)
営業時間 11:30~14:30(14:00 L.O.)、18:00~20:00
定休日 水曜 ※要予約(3日前まで)
※所在地、電話番号ともにon the 美一と同様。
Feature
佐渡島・海山里が育む
グルメと安らぎのステイ先
Text=Kaori Minetsuki
Photographs=Jun Hasegawa