パディントン駅発、贅沢な日帰り旅行へ

 英国南西部のサマセットで、約320ヘクタールもの広大な土地を持つザ・ニュート・イン・サマセット。

 歴史あるエステート(荘園)をリノベーションした、美しいガーデンと豊かな森、宿泊施設にレストランやスパ、ミュージアムまで備えた複合施設であり、また野菜や果樹の栽培や酪農や養蜂などを行う農場でもあります。

 このザ・ニュートが、9月末までの毎週末に展開しているロンドンからの日帰り豪華ツアーが「グレート・ガーデン・エスケープ」です。ガーデンツアーやウッドランドウォーク、エキシビションの見学、自家製サイダーの試飲など、ザ・ニュートの魅力がぎゅっと詰まった、この贅沢な日帰り旅行を体験してきました。

 集合場所は、パディントン駅のファーストクラスラウンジ。この日アテンドしてくれるホストに迎えられて、1日がスタートします。ファーストクラスに案内され、この日の朝にザ・ニュートのシェフが用意した朝食をいただきます。

 11時頃にザ・ニュートに到着。ウェルカムドリンクの後はさっそくガーデンツアーが始まります。エステートで実際にガーデニングを担当しているエキスパートによる解説を聞きながら、さらにガーデンを取り囲む自然がいっぱいの森へと歩みを進めます。

 やがて視界に飛び込んできたのが、森のなかにそびえる高さ12メートル超の歩道橋。「ヴァイパー」(マムシの意)という名が表すとおり、くねくねと曲がりながら、体験型ミュージアム「ストーリー・オブ・ガーデニング」へといざないます。

 ここでは、音声ガイドに沿って、世界のガーデンをデジタル体験。日本や中国の庭園もあり、畳の部屋を通り抜けます。入り口で靴を脱ぐように指示された理由はここにあったようです。ミュージアムの一番奥には、バーチャルリアリティによるガーデン見学もあり、時間がいくらあっても足りないくらいの充実ぶりです。

文・撮影=安田和代(KRess Europe)