定住を始め村を作り、コミュニティが生まれていった縄文時代。
古の人々が見つめた景色に思いを馳せ、青森、秋田、岩手の3県4箇所の遺跡を訪れる。
第1回は北東北を代表する縄文時代の遺跡・三内丸山遺跡をご紹介。世界遺産にも登録された今注目の遺跡だ。
北東北を代表する大規模遺跡。出土品の数は国内トップレベル
◆三内丸山遺跡/三内丸山遺跡センター(さんないまるやまいせきセンター)
青森市内にある三内丸山遺跡は、縄文時代の前~中期ごろのものとされ、住居や貯蔵施設、祭祀場、墓などを備え、500人近くの人々が暮らしていたと考えられている。
約4キロ先にある陸奥湾にはすぐに行け、周囲には落葉広葉樹が広がり、海と山からの食料を得やすい場所。標高が20メートルあり、津波被害の心配なく生活できる住処を経験値から選んでいたと実感できる。
遺跡の特徴のひとつが「6本柱」と呼ばれるもの。直径約2メートルの穴が列状に6つ見つかり建造物を建てた形跡が残っている。
大木を石の斧で切り山から運び出し、4.2メートル間隔で正確に並べた技術。大人数で建物を造るチーム力があったと推測できる。
また、2,000点を超える土偶、7,000点近い土器といった大量の出土品が発見され、しかも決まった場所に埋められていたという。
膨大な量の土器を祭りにも使ったのか用途は不明だが、大集落の中で人々が賑やかに日々を送っていた光景が目に浮かぶよう。雄大にそびえる八甲田山が、当時から変わらず見守りながら。
三内丸山遺跡/三内丸山遺跡センター(さんないまるやまいせきセンター)
所在地 青森市三内丸山305
電話番号 017-766-8282
開館時間 6~9月、ゴールデンウィーク 9:00~18:00(最終入館 17:30)/10~5月 9:00~17:00(最終入館 16:30)
拝観料 410円
休館日 第4月曜(祝日の場合は翌日)
https://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/
Feature
森に囲まれた
北東北の遺跡へ
Photographs=Asami Enomoto