定住を始め村を作り、コミュニティが生まれていった縄文時代。

 古の人々が見つめた景色に思いを馳せ、青森、秋田、岩手の3県4箇所の遺跡を訪れる。

 第3回は三内丸山遺跡からもほど近い、小牧野遺跡をご紹介。世界遺産にも登録された今注目の遺跡だ。


見晴らしのいい高台にある、四季の彩りを感じる祈りの場

◆小牧野遺跡/青森市小牧野遺跡保護センター【縄文の学び舎・小牧野館】
(あおもりしこまきのいせきほごセンター【じょうもんのまなびや・こまきのかん】)

 三内丸山遺跡から車で20分ほど、細い田んぼ道を進んだ先にある小牧野遺跡は、標高約145メートルの高台に広がるストーンサークル。

 見つけたのは地元の高校生たち。考古学研究会の活動の際に、丸みを帯びた河原石を発見し調査をすると、遺跡から500メートルの所にある荒川の石ということが分かった。約2,900個もの石を運び並べたとなると、相当な労力だったはず。

 遺跡の時期は縄文時代の後期前半。住居集落がないことから、祭祀に使われていたとされている。この遺跡の特徴は、平らな石が縦横交互に置かれ、石の積み方が立体的な点。

 緑豊かな敷地内では春に山桜が咲き、梅雨の前には藤が紫色に染まる。四季を感じる景色の中で祈りを捧げていたのかもしれない。

小牧野遺跡/青森市小牧野遺跡保護センター【縄文の学び舎・小牧野館】
(あおもりしこまきのいせきほごセンター【じょうもんのまなびや・こまきのかん】)

所在地 青森市大字野沢字沢部108番地3
電話番号 017-757-8665
開館時間 9:00~17:00
休館日 無休
拝観料 無料
https://komakinosite.jp/
※遺跡は11月16日~4月30日の期間閉鎖。

Feature

森に囲まれた
北東北の遺跡へ

Photographs=Asami Enomoto