ベントレーに乗って、奥高尾にある「うかい竹亭」でランチしませんか? 慌ただしい冬のある日、突然のゴージャスなお誘いに、抱えている大容量の仕事も忘れて浮足立つ私。

「うかい竹亭」って東京タワーのふもとにある料理店「とうふ屋うかい」の姉妹店? しかもベントレーって英国王室御用達の超高級車でしょ! こんな棚ぼた的僥倖に恵まれたからには万障繰り合わせて参加せねば!

 「うかい竹亭」&「ベントレー」という2つのラグジュアリー。同時に味わった貴重な体験をお届けします。


エレガントな車の姿にひと目惚れ。敏捷で爽快なドライブあとにはご馳走が!

 ベントレーに乗って「うかい竹亭」に向かう日の、集合場所は「東京 芝 とうふ屋うかい」。雲ひとつない青空の眩しい快晴のもと、赤い東京タワーがみるみる大きく見えてきたな、と思いきや、燦然と輝く3台の車も同時に視界に入ってきます。

 写真右手のシルバーはコンチネンタルGTV8コンバーチブル、中央の白はフライングスパー、左の赤はコンチネンタルGTコンバーチブルという名称。3台ともスポーティなのにエレガントな印象で、自動車リテラシーが滅法低い私でも、もの凄くクオリティの高い車だ、ということはわかります。うわ、かっこいい、素敵だわ。コンバーチブルって確かオープンカーになるタイプよね、などと浅い知識を総動員しながらも美しい車体にうっとり。

 2021年で創業102年目を迎えるベントレーの創業者はウォルター・オーウェン・ベントレー(以下w.o.)。英国の裕福な家庭に生まれ育ち、幼い頃から機械に興味を持っていたそう。第一次世界大戦後には自動車会社を設立し、レース好きなw.o.は1923年にフランスで行われたル・マン24時間レースに出場するなど、モータースポーツで名をあげていきます。高性能スポーツカーが原点のベントレー。車体がそこはかとなくスポーティなのも頷けます。

 英国うまれのベントレーは現在ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンの傘下にありますが、ワーゲンなどが巨額の開発費をかけた最先端技術と、ベントレーのこだわり抜いたクオリティが融合し、さらなる進化を遂げているそうです。

 エスコートドライバーをしてくれたモータージャーナリストの九島さんの解説を聞きながら、「東京 芝 とうふ屋うかい」から奥高尾の「うかい竹亭」まで、1時間強のドライブもあっという間。加速する際の滑らかさ、モーター音などがほぼ聞こえない、そんなストレスフリーな環境で、車内でのお喋りも聞き取りやすく声を張らず済んで快適でした。

 内装やインテリアも外見に負けず劣らず秀逸なんです! シートはまるで上質なレザーソファに深々と座っているようなホールド感があって心地よし。ドアの内張りに施された「3Dレザー」と呼ばれるダイヤモンド状の立体的なキルトパターンも見目麗しくおしゃれの極みです。これは世界で初めて自動車に採用されたレザー加工技術だそう。

 レザーとウッドが巧みに配置されていて、手触りや色調に優雅さを感じるのも、さすが100年にわたって受け継がれてきたクラフトマンシップ。歴史のある車にしか醸し出せない上質な“気”が漂っていました!

2021.02.11(木)
文・写真=CREA編集部