洒落たダイニングで心尽くしの夕食を
左：到着するとロビーで供される搾りたてのウェルカムドリンク 右：中庭にひっそりとたたずむお茶室で、宿の主が一席を設けてくれる特別な瞬間
おもてなしは、到着直後に供される搾りたてのジュースから始まる。午後のひととき、宿の主が茶室でたててくれるお抹茶が嬉しい。とりわけ海外からのゲストには、好評だという。露天風呂や大浴場でゆったりと温まったあとは、洒落たダイニングで心尽くしの夕食を楽しむ。こだわりの食器も、愛好者にはたまらないだろう。また、女将が好きだからこその酒類の充実は素晴らしい。シャンパン、ワイン、日本酒はもちろん、焼酎が前割りまでしてある周到さには脱帽だ。
左：その場で搾る野菜ジュースから始まる朝食。加賀コシヒカリの土鍋ごはん、近郊のオーガニック温野菜、自家製ちりめん山椒、カレイの炭火焼きなど、献立はフレッシュな野菜とたんぱく質のバランスがとてもいい。洋食も用意してあるが、やはり趣向を凝らした和食を選びたい右：“タラ白子とウニとカブのみぞれ仕立て”は傑作。カブのすり流しがなんとも体に優しい味わい。お椀は赤木明登さんの輪島塗り
部屋に戻れば夜食用に梅の巻き寿司がそっと置かれ、枕元にはあらかじめ好みを訊かれたアロマポットの薫香が心地よい眠りに誘う。
真に贅沢な時というものだろう。
やっぱり、日本の旅館は最高だナ。柔らかい枕に頭を沈め、和の憩いに満たされながら、しみじみと思う。
左：温泉と薬草を用いた、日本でここだけの独創的なトリートメント。水溜まりのある空間は、静謐な空気に満ちる右：選んだ「薬草玉」でのトリートメントは極上の心地よさ。フェイシャルやリフレクソロジーのコースもある
ルレ・エ・シャトーのウェルカム・トロフィーって何？
世界60カ国、520のホテル・レストランが加盟するルレ・エ・シャトー・グループ。ウェルカム・トロフィーは、ゲストへのおもてなしやホスピタリティに関する部門の賞で、最高の名誉。毎年パリ本部に送られてくるアンケートやメールなどゲストの声を集計し、理事会が決定する。昨年11月に「べにや無何有」はイタリア・トリノで表彰された。
べにや無何有 (Beniya Mukayu)
住所 石川県加賀市山代温泉55-1-3
電話番号 0761-77-1340
URL www.mukayu.com
客室数 17室
料金 1名￥31650～(1室2名利用、夕・朝食付き)
アクセス 加賀温泉駅から車で約10分、小松空港から車で約30分
photographs:Makoto Ebisu
text:CREA Traveller
