コロナ禍でマスクをとりまく環境が激変
「ビビッドカラーのサージカルマスクを発売したのは2017年。当時は、マスクとしては特殊な明るい色は敬遠され、黒などのシックなカラーが人気でした。
ところが今は完全に逆転していて、ビビッドオレンジ、アップルグリーンなど、他にはない色味が受けています。
思えば、あらゆる事柄が、コロナの前後で一変しましたね。例えば“マスクの乱”といわれている争奪戦。購入の攻略法をシェアしあうSNS、交換の掲示板的なSNSができていること。また、人々がマスクの規格や機能、原料の産地などに関心を持ちはじめ、専門家のように詳しくなってきたのも、コロナ禍による変化です」
日本でも、一部の輸入マスクが劣悪な工場環境で作られており、機能どころか安全性も担保されていないことなどが報道され、人々は価格よりも安全性を優先するようになっている。発色の良いマスクとなると、安全性も気になるところだろう。
「安全性については、SGSの認証を得ていて、蛍光剤、重金属、可塑剤などの有害物質が含まれていないことが確認されています。
カラーマスクの材料となる不織布は、ポリプロピレンを吹き付けて不織布を作る際、“色母粒”と呼ばれる色つきのポリプロピレンを使う“マスターバッチ”という手法で色付けしています。実は、淡い色の一般的なマスクも、カラーマスクも、着色の方法自体は同じなんですよ」
今後はコピー商品がさらに増えていくことが予想されるので、発色の良さだけで手にしないことが大切。マスクに鼻をつくニオイがあるもの、70℃のお湯に30分浸して異臭や色落ちがあるものは、絶対に使用しないようにと警告している。
2020.09.16(水)
文・撮影=堀 由美子
写真提供=CSD中衛