島の暮らしのなかで大切に受け継がれてきた伝統の味わい。
時代が移るとともに食文化が大きく変化した今だからこそ包丁人(ほーちゅー)たちが丁寧に作る一皿の美味しさは、いっそう魅力的なのだ。
沖縄へ行ったら一度は訪れたい、注目のレストランを5軒ご紹介。
フレンチ&コンチネンタルな一皿で表現する 上質な沖縄
●ザ・ブセナテラス ファヌアン
1997年の開業以来、沖縄の迎賓館的リゾートとして別格の歴史を刻んできたザ・ブセナテラス。そのメインダイニングであるレストラン「ファヌアン」は、沖縄ガストロノミーをリードする優雅な空間である。
厨房を率いるのは、上原雅弘シェフ。春夏秋冬、移り変わる季節とともに新作コースを披露し、そこには常に新たな挑戦を盛り込む、進化する料理人だ。
「私が料理人を目指した頃は、沖縄にはブランド食材はほとんどありませんでした。それが今や、魅力的で独自の素材が豊富。それをお客様にご紹介できるのが何より楽しいですね」
地元の新鮮な旬野菜、みずみずしい果実、旨みが溢れる魚介……。そこに幻の黒豚“今帰仁アグー”に加え、フランス産のブランド食材なども取り入れる。
シンプルな白い皿の上で多彩な美味が出会い、5ツ星リゾートならではの贅沢な美食時間へと導くのだ。
「まだ使ったことのない食材が沖縄にはたくさんあります。これからもいろいろチャレンジしながら、この“ファヌアン”でしか味わえない沖縄の美味しさを伝えていきたいですね」
上原雅弘(うえはら まさひろ)さん
1966年浦添市生まれ。洋菓子職人の父を持ち、幼少から料理人に憧れてこの世界に。東京・横浜の有名店で経験を重ねた後、'97年沖縄に戻り、2017年よりレストラン「ファヌアン」のメインシェフに。
ザ・ブセナテラス ファヌアン
所在地 沖縄県名護市喜瀬1808
電話番号 0980-51-1333
営業時間 17:30~21:30 L.O.
定休日 水曜
料金 ディナーコース 18,000円~
交通 那覇空港から車で約75分
https://www.terrace.co.jp/busena/
Feature
希少な技を受け継ぐ
沖縄の“包丁人”たち
写真=矢野詔次郎
構成=矢野詔次郎