記憶を刻み、未来へつなぐホテル「The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu」

ヘリテージ(遺産)の名にふさわしい、美しくノスタルジックな雰囲気をまとった外観。校庭はパブリックに開放されたガーデンとなり、当時から学校を見守ってきた郵便ポストなどが大切に保存されている。

 明治2年に下京第27番組小学校として開校し、昭和初期に現在の地に移転・新築された元京都市立清水小学校。

 京都のシンボルともいえる清水寺のすぐそばにある、その元小学校が2020年3月22日(日)、ヘリテージ(遺産)ホテルとして生まれ変わり、グランドオープンした。

 「The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu」ではホテル滞在に欲しいものをしっかりと備えつつ、建物の外壁を内装として活かした渡り廊下や、客室に残されたかつての教室を感じる窓枠や梁など、館内のいたるところに小学校時代の面影を残している。

 コンセプトは、“記憶を刻み、未来へつなぐ”。小学校やこの地域が築いてきた歴史や文化が体験できる趣向が随所に凝らされているのだ。

広々としたテラスを備えた、増築棟のテラスツイン。60.8平米のゆったりスペースで、トリプルルームとしても利用可能。

 全48室のゲストルームは大きく分けて、既存棟客室34室、増築棟客室14室の2タイプがある(各棟により複数カテゴリーあり)。

 既存棟客室は校舎のクラシカルな建築を引き立てるため、あえてシンプルなデザインに。そして増築棟客室は、モダンな建築デザインの中にミニマルな内装デザインをプラス。

 それぞれ異なる趣のインテリアが施されているので、何度でもリピートしたくなること請け合いだ。

 館内には、元小学校ならではの空間を活かした施設はもちろんのこと、京都らしさや京都の美しい景観を満喫できるラウンジをはじめとする、個性豊かなパブリックスペースが多数用意されている。

宿泊者専用の施設には、プライベートバス(写真)、ゲストラウンジ、フィットネスジムなどがある。

 なかでも注目したいのは、当時講堂だった場所をリノベーションしたレストラン。

 このビジター利用も可能な「レストラン ライブラリー ザ・ホテル 青龍」は、たくさんの書籍に囲まれたアカデミックな空間で、朝食やティータイムを楽しむほか、ゆったりと読書にふけることもできる。

 懐かしさとともに、寛ぎと癒しを与えてくれるスペースといえるだろう。

文=立花奈緒(ブレーンシップ)