美しき海に抱かれたリゾート地と、モダンな都市の魅力を併せ持つ釜山。

 最近では国際的なアートの発信地としても活気づき、さらに注目が高まっている。

 胸に染みる作品を求め、海の幸に酔いつつ、静やかな海辺を巡ってみたい。


新しい釜山を訪ね歩き
心潤う冬の至福に浸る

著名な芸術家でもある植物学者、パトリック・ブランの手がけた《垂直庭園》が外壁に息づく釜山現代美術館。

 夏の盛りが過ぎ、10月の国際映画祭も幕を閉じるころ、釜山は静けさを取りもどす。

 街はゆったりとした空気に満ちて、華やかなリゾート地も落ち着いた雰囲気に。地元の人も「冬はロマンティック。凜とした海の風景に魅せられますよ」と、この季節ならではの趣に想いを寄せる。

 名物の海の幸も寒さにつれ、旨みを増していく。韓国屈指の漁港であり、国内最大級の鮮魚市場「チャガルチ市場」を有する地は美食の宝庫。

 ここでは極上のズワイガニやトラフグ、鮑を揃えた店が建ち並び、自慢の味を競い合っている。

鮑専門店「タムボク」の焼き鮑。専用オーブンで焼いた鮑と肝入りのタレが絶妙に絡む。

 海鮮料理のスタイルも多彩だ。

 今、話題を集めるのは、伝統的な味わいを守りつつ、モダンなスタイルを打ち出すレストラン。

 地元の上質なマッコリ(伝統酒)に合わせ、シェフがオリジナリティ溢れる料理を供するなど、新しい趣向で美味を堪能させる店は国内外で評判を呼ぶ。

釜山のアートシーンを牽引する釜山市立美術館。

 2年ごとに開催される国際芸術祭「釜山ビエンナーレ」により、芸術都市としての魅力も深まった。市内には現在、ギャラリーやアートをテーマにした複合文化施設が次々と登場。

 環境との共生を重視するアートスポットの開発も進む。自然と触れ合いつつ、アートに親しむ心地よい時間は、釜山旅の新しい魅力だ。

 公立美術館の充実ぶりにも驚かされる。2018年にはメディアアートに注力した釜山現代美術館が完成。

 釜山市立美術館の敷地内には世界的な芸術家、李禹煥の個人美術館も建つ。

 慶尚南道に生まれ、少年期を釜山で過ごした李禹煥は情熱を尽くし、この美術館を築き上げたという。静謐な館内には芸術家の魂がみなぎっているようだ。

水平線に包まれるヒルトン釜山のインフィニティプール。

 街歩きの後はリゾートでくつろぎ、気ままなひとときを。

 近年、新たなリゾート地として機張の人気は高まるばかり。開放的な海辺には眺めのいいカフェが並び、洗練されたエリアも見つかる。

 多様な楽しみを秘める釜山の冬は奥深い。穏やかな陽光にきらめく海を見渡す街では、気持ち豊かな休日が待っている。

 次ページからは、釜山に続々と誕生する最先端のアートスポットをご紹介!

大韓民国

時差 0時間
通貨 1大韓民国ウォン=約0.09円(2019年11月現在)
国際電話番号 +82
アクセス 空路で東京から釜山まで約2~2.5時間

Text=Masami Uwabo
Photo=Asami Enomoto
Coordination=Shinhae Song(TANO International)
Cooperation=Korea Tourism Organization

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