歴史と文化の重層感、それぞれに洗練を極めた食事やファッション、アーティスティックな営みの充実。欧州の国々はどこも本当に魅力的で、行けば行くほどに感銘が深まる。今回CREA Travellerでは、そんな欧州に行くときにお薦めなフィンエアーの魅力と、フィンランドの首都ヘルシンキを経由し「最短最速」ルートで行く、ときめきのディスティネーションをご紹介。

 第4回目は、南欧スペイン、東欧クロアチアも、最短最速で到着!

» 第1回 欧州への「最短最速」の秘密
» 第2回 寛ぎをもたらす大人の都、フィンランド ヘルシンキ
» 第3回 進化するエアポート、ヘルシンキ・ヴァンター国際空港
» 第5回 欧州上級編、中欧チェコの古都プラハにでかけよう

ヘルシンキ経由で最短の旅!
CREA Travellerがお薦めするときめきのディスティネーション(1)

バルセロナ (Barcelona, Spain)

【ヘルシンキからの所要時間:3時間55分】

<サグラダ・ファミリア>
バルセロナの象徴である大聖堂。1882年の着工以来、現在にいたるまで未完。工事は進行中だ。自然を建築の理想的なモデルととらえていたガウディは、サグラダ・ファミリアの隅々に自然のモチーフを取り入れた。そのためか、建物は命渦巻く生き物ごとく、神聖なエネルギーに満ちる。

ガウディと至高の食に出合う

  別世界へと招くモデルニスモ建築の群れ。ゴシック地区では中世と現代が交錯し、丘の上には夢見るような公園が君臨する。バルセロナはカタルーニャの魂が築き上げた街だ。ここはスペインであって、スペインではない。

 傑出した人や物を次々と誕生させ、変貌し続ける街は刺激に満ちている。ガウディの建築と触れ合うとき、湧き起こる戦慄や歓喜。モチベーションの高い料理人達が伝える、美食の極み。ミロ、ダリ、ピカソといった天才達の軌道を追ううちに、見いだされるカタルーニャの情念にも魂が震える。

パドロン村名産のししとうの素揚げ。みずみずしい皮は歯ごたえもよく、後を引くほろ苦さが絶妙。C5.60

イノピア
バルセロナのバルなら迷わずここ!

 エル・ブジを率いたカリスマシェフ、フェラン・アドリア氏の弟アルベルトさんが開いたバル。一見、クラブのような雰囲気だが、意外にもタパスは正統派。シェフによれば「最高級の旬の食材を使って、下ごしらえは綿密に。シンプルですが、非常に完成度の高いタパスに仕上げています」。料理によく合う国産ワインも豊富にそろう。

<次のページ> ときめきのディスティネーション(2)

photographs:Atsushi hashimoto / Yuji Ono / Akiko Fukuchi
text:Masami Uwabo
illustration:Yoshiyuki Osaki
coordination:Kaiya Reena / Yumiko Klement