全米ナンバーワンビーチ前の
老舗ホテルでゆったりと過ごす

屋外のグリルで他のゲストと語り合いながらバーベキュー

左：キッチンには調理器具もすべて揃い、使いやすさ抜群。大きなオーブンで普段はできない料理を楽しむことも可能だ。お皿やグラスなどがセットで揃っているのもうれしい。ディッシュウォッシャーもあるので、ちょっとしたパーティでも食器洗いの心配なし
右：ハウスキーピングのスタッフがさりげなく飾ってくれる花がテーブルに。窓に向ってオープンなキッチンのカウンターでは会話が弾むこと、間違いなし。上質な家具のチョイスからも、このコンドミニアムのグレードの高さが伺える。部屋の指定をして予約をいれるゲストもいるそうだ

ぐっすりと眠り、気持ちよく目覚めることのできる落ち着いた雰囲気のベッドルーム。大きな窓を開けて、たっぷり深呼吸をしてから一日を始めたい。島の朝はすべてが特別。それは朝早く目を覚ました人だけが楽しめるとっておきの時間なのだ。コンドミニアムといってもホテル同様のメイドサービスがあるので、ベッドメイキングの心配は無用

 このホテルでは、ホテルルームと呼ばれる部屋以外はすべてフルキッチンを完備。カウンターのあるキッチンでは、料理を楽しみながら、家族や恋人、友人との会話が弾む。旅先で、地元の素材を使って作る料理は、わくわくする冒険。島でとれる野菜や果物に出合い、草を食べてゆっくり育ったマウイ育ちのビーフをステーキにするなど、普段はできない料理体験ができる。ステーキなどを調理するグリルは敷地内に数カ所ある。部屋のキッチンではなく、外のバーベキューグリルで、というスタイルには馴染みがないかもしれないが、グリルのあるエリアではゲストが集まって語り合い、情報交換の場所にもなっているので、滞在中に一度はサンセットを見ながらのバーベキューを計画してみたい。

 部屋に入った瞬間に広がるリビングルームとその向こうの景色、山から海にぬける風は、滞在の大きな楽しみのひとつだろう。旅といえば、アクティブに出かけるだけではなく、ホテルに滞在する時間も充実させたいもの。ゆったりとしたベッドルームで、午後の日差しをさけてお昼寝する時間、遅めの朝ご飯を食べながらの読書、ワインを飲みながら眺めるサンセット――いつもはできない時間の過ごし方もここでは可能だ。

カアナパリ・ビーチの端は人気の少ないエリアなので、静かなビーチタイムを満喫できる。特に朝の海は最高だ。夕刻にはワイングラスを片手にサンセットを眺める人も多い。海のそばで過ごす休暇を満喫しよう

 子どものいる家族や、今日はホテルで過ごそうという一日に最適なのは、すぐ近くにある海と3つのプール。オーシャンフロントのホテルやコンドミニアムは多いが、そのロケーションはさまざま。マウイ・カアナパリ・ヴィラの良さは、広いカアナパリ・ビーチのもっとも美しいビーチラインが目の前にあるということだろう。他のリゾートのゲストを気にすることもなく、静かで人の少ないカアナパリ・ビーチを存分に楽しめる。

 敷地内の海沿いには、ブレックファストからディナーまで供するカジュアルなレストラン「Castaway Cafe」がある。朝のビーチウォークを楽しんだあとに一息入れたり、ビーチで遊んだあと夕食を部屋で作る時間のないときに、さっと立ち寄れる便利な食事処だ。

 マウイ島を訪れて、カアナパリに滞在する人は数えきれない。だが、最新のリゾートが密集するエリアからほんの少しはずれただけで、ゆったりとした時間の流れる別のカアナパリの顔があることを知っている人は少ない。ショッピングやアクティビティを満喫しながらも、まるで我が家に帰ったようにくつろげるマウイ・カアナパリ・ヴィラは、カアナパリの隠れ家なのだ。

神宮寺 愛 (じんぐうじ あい)
ライター・コーディネーター・通訳／翻訳(英語・ハワイ語)、フラダンサー。
出版社退職後に渡米、マウイ島在住11年。五感、六感のおもむくまま、食べること、踊ること、11歳の愛娘に夢中な毎日。著書『心と体がピュアになるハワイアンな暮らし』(青春出版社)、雑誌『アロハエクスプレス』連載エッセイ執筆中。ブログ『愛しいカンケイ』