ひいおばあちゃんのカポナータ

<材料・大きめのフライパンいっぱいに作るとき>
・なす ・パプリカ ・トマト ・玉ねぎ ・セロリ
・カッペリ(ケッパー) ・オリーブ ・松の実 ・バジル
・砂糖小さじ1 ・酢大さじ2~3 ・オリーブオイル
・塩、こしょう

 あの、「分量は??」と思いました? お母さんのレシピに分量はありません。お野菜は食べたい分だけ入れて下さい。

このくらいの分量です

 そう、この“食べたい分”が実はおいしく作る秘訣。分量に頼らずに作ると、あ、きっとこうしたらおいしくなるだろうな、というカンが働いてきます。人は元来食いしん坊なもの、おいしいカンはみんなが持っています。

 でも、調味料の割合は大切。これを目安として味見しながら、お好みで調節してください。

<作り方>
(1) 野菜を切ります。なす、パプリカ、トマトは角切りに、玉ねぎはくし型切りに、セロリは短冊切りにします。
(2) 熱したフライパンにオリーブオイルをしき、なす、パプリカ、セロリをひと素材ずつ別々に、塩・こしょうして炒めます。炒めた野菜はボールにひとまとめにして入れておきます。
※ちょっと面倒、と思うかもしれませんが、この作業が野菜のそれぞれの旨みを存分に引き出します。油を吸いやすいなす、火の通りやすいパプリカと、通りにくいセロリは、それぞれが一番おいしい状態で火を入れてあげること、これがポイントです。
(3) 玉ねぎを塩・こしょうして炒めます。
(4) そこへトマトを加えて軽く炒めます。
(5) カッペリ、オリーブ、松の実を加え、(2)で炒めた野菜を加えます。
(6) 全体を馴染ませるように炒めたら、砂糖・酢を加え、酢のつんとした匂いがなくなるまで炒めます。
(7) お皿に移し、あら熱を取ります。
(8) 最後にバジルをちらして出来上りです。

左:窓辺に置いてカポナータのあら熱をとるのがマンマ流
右:先生の家の窓辺から見えるお庭

 冷蔵庫で冷やしてもおいしいですから、多めに作って、作り置きにしておくのもいいですね。暑いシチリアで生まれた料理は、さっぱりとしたおいしさで、暑い夏を乗り切る栄養もたっぷり。

 丁寧に手をかけて大切に作る思いが料理をおいしくしてくれます。そして、そんなおいしい料理は人を幸せに、元気にしてくれる。イタリアのお母さんから教わった一番大切なこと、おいしいイタリアの秘密です。

フィアメッタ先生の家庭料理教室
※完全プライベートレッスン(1レッスン3人まで)
レッスン内容 前菜からデザートまで4品を作成。
メニューはトスカーナ料理を中心に、家庭料理のなかから希望に応じてくれます。
日時 月~金のランチ、ディナー、土曜のランチタイム。
日時も希望で決められます。所要時間は調理と試食で約3時間。
料金 1人60ユーロ(材料費込)
住所 Viale Petrarca 106, Firenze, Italy
電話 +39-055-228-6475(イタリア語、英語)

藤原亮子 (ふじはら りょうこ)
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、'09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、取材・撮影・執筆活動をしつつ、イタリアの伸びやかな景色をテーマに写真作品も制作中。イタリアでの日々をつづったブログ blog.goo.ne.jp/chococogogo/

Column

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