以前、イタリア人には行きつけのバールが必ずひとつはある、とご紹介したが、彼等のお茶の仕方はあくまでもスタンディング形式。エスプレッソマシーンの音が絶えない活気ある雰囲気の中でカフェをさっと一杯飲んで退散、というのも悪くはないが、長年、イタリアで暮らしていても、日本人の私はやっぱり座ってゆっくりお茶を楽しみたいと思ってしまう。
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そこで、今回は私がローマで一番好きなとっておきのお店をご紹介しよう。
街なかでありながらその喧噪を感じさせない静かな空間。素晴らしい建築物。看板なんてないから地元の人でさえ知る人は少ない。
よってほぼいつも空いているため、お一人様でも気兼ねなく物思いにふけることができる。そんな場所はローマ広しと言えどもそうそう見つかるものではない。だから、私にとって隠れ家的なこの場所を公開すべきか少々迷ったりもしたのも事実(苦笑)。
<次のページ> そのカフェテリアはブラマンテの回廊の中にある
text&photographs:Yukie Muramoto