ネットを駆使して広がりをみせるローマの職人工房

さらなる広がりを見せる、新鋭の職人工房

 その後、彼女たちの活動に賛同する人々が加わり、イタリア各地で定期的に展覧会を開催するまでに成長した。

 そして、2年前、ローマ中心部であるパンテオンの近くに念願の職人ショップをオープン。ロフト式になっている開放的な店内はつくり手ごとのコーナーに分かれている。新聞紙、ペットボトル、ガラス、レコード盤、年代物の電話機や古いコイン。そういった日常の素材が個性溢れる作品に姿を変え、所狭しと店内のあちらこちらにディスプレイされている。

 ショップの一角では創作中のアーティストを目にすることもあるし、作家が自ら作品の説明をしつつ対面販売をしている姿も見かける。まるでアーティストのアトリエを覗いたような店内の雰囲気は普通の店ではなかなか味わえない楽しさがある。

 設立当時は数名だったメンバーも今では海外のつくり手も加わり総勢30名あまり。今後のさらなる展開が楽しみだ。

text&photographs:Yukie Muramoto