手作り陶器ならではの魅力がいっぱい

絵タイルや小物入れから、大皿や壺まで、サイズもデザインも様々な陶器はすべてハンドメイド。飾っても美しいが、もちろん食器としてなど実用もOK。ただし、食器洗い機や電子レンジの使用は不可。

 こちらのお店で扱っている陶器は、スペイン国内のトレド、バレンシア、グラナダの各県に点在する小さな工房で作り出されているもので、いずれも昔ながらのフォルムと絵柄を踏襲したデザイン。すべて手描きで絵付けされているため、ふたつとして同じものはありません。

 一見同じように見えても、色の濃淡や筆遣いなどが微妙に異なります。また、代々続いている工房が多いので、同じシリーズのデザインでも、先代が作ったものと現在の代になってから作られたものとではまた雰囲気が変わります。

 そのなかからお好みの一点を探すのもよし、いくつか揃えてそのニュアンスの違いを楽しむのもよし。それもハンドメイドの陶器ならではの魅力です。

飾り皿として人気のシリーズ。大きさと絵柄の細密さによって値段が変わる。写真のものは直径40センチのサイズで360ユーロ、これより小ぶりな30センチサイズのものが160ユーロ。

 選ぶのに迷ったら、ぜひお店の4代目ご主人のホセさんに相談を。扱っている陶器について、丁寧に説明してくれます。

 スペースが限られているため、店頭に出ていない商品も多いので、「このデザインで別のサイズはありますか?」「このシリーズで他のデザインがほしい」など、希望があれば遠慮せずに聞いてみましょう。きっとお気に入りの一点(もしくは何点も?)が見つかるはずです。

ピッチャー2種。左のものは青(または青と緑)でザクロを描いた典型的なグラナダ陶器のデザイン(78ユーロ)。右はトレド県のエル・プエンテ・デル・アルソビスポ(El Puente del Arzobispo)で作られたもの(22ユーロ)。クリーム色の地にエメラルドグリーンの彩色が、この村の陶器の特徴。

 陶器というと、日本に持ち帰る際のパッキングが心配ですが、その点もご心配なく。”プチプチ”で何重にもくるみ、包装紙とヒモでしっかり固定、スペインでは珍しく完璧な梱包を手際よく仕上げてくれます。とはいえ、せっかく選び抜いた逸品。万が一のことがないように、飛行機には、手荷物として機内持ち込みがお勧めです。

Antigua Casa Talavera
(アンティグア・カサ・タラベラ)

所在地 Calle de Isabel 'La Católica', 2, 28013 Madrid
電話番号 915-473-417
営業時間 月~金曜 10:00~13:30/17:00~20:00、土曜 10:00~13:30
定休日 日曜・祝日
アクセス Santo Domingo駅(メトロ2号線)より徒歩2分
http://www.antiguacasatalavera.com/

坪田みゆき(つぼたみゆき)
バルセロナ在住、コーディネイター。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)イスパニア語学科卒。在東京スペイン政府観光局勤務などを経て、2004年よりバルセロナ在住。バルセロナ、バレアレス諸島(マヨルカ島他)、バスク地方などを中心に、スペイン全土の取材・撮影コーディネイトの他、通訳・翻訳業務も行っている。http://spainbcn.exblog.jp/

Column

気になる世界の街角から

世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

文・撮影=坪田みゆき
写真提供=Antigua Casa Talavera