街の中心に王家の宮殿“パラシオ・レアル”が鎮座する首都マドリード。そこは、ハプスブルク王朝の風情を今に残し、絢爛な時間を楽しむ麗しの都。まだまだ知られていない、この街のリアルな魅力をくまなくご紹介しましょう。

 3回にわたり、マドリードの美術、ホテル、買物情報を紹介。今回はマドリードのホテルです。

» 第1回 プラド美術館とスペイン王室宮殿
» 第3回 マドリードで見つけたかわいいもの。

歴史ある街だからこその贅沢ステイ
正統派ホテルで優雅な一夜

 フェリペ2世が宮廷をこの街に移してから約450年。市街のそこかしこに長い歴史を感じさせるマドリードでは、風格あるクラシックテイストのホテルに滞在するのが、ワンランク上の贅沢。

王都の迎賓館
ホテル・リッツ・マドリード

歴史を感じさせる調度品の数々が美しい、ロビーラウンジ
グレース・ケリーが新婚旅行で滞在し、イヴ・サンローランをはじめ、時代を象徴するセレブリティに愛されてきたホテル・リッツ・マドリードのロイヤルスイート

 時は20世紀初め、欧州各地を歴訪した国王アルフォンソ13世は、マドリードに王侯貴族をもてなす迎賓館的ホテルがないことを痛感。そこでホテル王セザール・リッツに依頼し、1910年にその華麗なる扉を開いたホテル・リッツ。時代の総力を結集して作られた空間は、100年を経てなお色あせることのない贅沢感を醸し、さらに絢爛な時代の空気までをも、そのまま今に伝えている。

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photo:Atsushi Hashimoto
realization & text:Shojito Yano
coordination:Yasuo Taniguchi / Yukiko Hori
illustration:Kanako Sasaki / Masako Kubo