イタリア各地には、伝統的なドルチェ(お菓子)があります。その土地で伝統的に受け継がれてきた歴史あるドルチェは数々ありますが、全国的で知られているドルチェと言えば、シチリアのお菓子が挙げられましょう。
最近、日本のイタリアン・レストランでも、しばしば目にする「カンノーリ」や「カッサータ」などは、シチリアの伝統ドルチェ。カンノーリ(正確にはカンノーロ)は筒状に揚げたパイ生地にリコッタクリームを詰めたもので、カッサータは、リコッタクリームをベースにしたケーキ。砂糖グラスでコーティングし、オレンジやイチジクなど、名産のフルーツの砂糖漬けやマジパンで、バロック的に華やかに飾るのが特徴です。
また、知る人ぞ知るではありますが、「フルッタ・マルトラーナ」という本物と見まごう程の細工を施したシチリア伝統ドルチェもあります。
これは、シチリア州の州都パレルモの旧市街にあるマルトラーナ修道院の修道女たちが考案したドルチェで、これまた名産のアーモンドの粉をマジパン状にしたものを素材にしています。パスティチェーレ(パティシエ)がひとつひとつ形状を整え、丁寧に色付けして仕上げる手作りの逸品。アルチザンの国、イタリアならではのドルチェです。
さて、そんな日本の和菓子にも通じるスピリットを秘めるドルチェ職人がいるパレルモに、2011年12月、新しいドルチェのお店がオープンしました。その名も、「大騒ぎのケーキ屋さん」。はて、どんなケーキ屋さんなのでしょう?