行列の絶えない、ナショナル・ギャラリーの展覧会

連日長い行列ができている、ナショナル・ギャラリー

 さて、ここ最近、このトラファルガー広場に面したナショナル・ギャラリーには、連日長い行列ができています。こちら、11月9日から始まった「ダ・ヴィンチ展(Leonardo Da Vinci –Painter at the Court of Milan-)」の当日券を待つ人々の列なのです。

 1480年代~90年代にかけての、ダ・ヴィンチのミラノ時代の作品を集めた過去最大のエキシビションということで、公開前から話題となり、2月5日の最終日まですでに前売り券はソールドアウト。

 その後、ネットオークションでチケットの価格が1枚400ポンド(正規価格16ポンド)にまでつり上がるなど異常な白熱ぶりを見せています。チケットの転売はナショナル・ギャラリーの規約上、禁止されているため、転売が発覚したチケットは無効となること、知人から譲ってもらった場合でも、購入者のサイン入りの手紙を入場の際に必ず持ってくることをギャラリー側は呼びかけています。

 そういったわけで、決して楽に入場できるわけではありませんが、パリのルーブル美術館とナショナル・ギャラリーが所有する2つの「岩窟の聖母」が史上初めて同じ部屋で展示されていたり、先頃発見された幻の絵画「サルバトール・ムンディ(救世主)」や、ジャンピエトリーノによる「最後の晩餐」の実物大コピーが見学できたり、と話題に事欠かず、またダ・ヴィンチの弟子たちの作品も含め93点もの作品が一堂に公開されるのは、まさに今回の宣伝文句「一生に一度きり(Once-in-a-lifetime)」のこと。

 毎日一定枚数発行される当日券を入手するために、夜明けと同時に列ができ始めるのも、無理はないのかもしれません。

「Leonardo da Vinci: Painter at the Court of Milan」
開催場所 The National Gallery
開催期間 2012年2月5日まで
所在地 Trafalgar Square, London WC2N 5DN
URL www.nationalgallery.org.uk

Kazuyo Yasuda(KRess Europe)
ロンドンを拠点とする編集プロダクションKRess Europeの代表。現在、ロンドン生活のアレコレに関する、初めてのバイリンガル・フォトエッセイ電子書籍「Nice and Lovely Tiny Things」を年内に刊行すべく準備中

Column

気になる世界の街角から

世界の12都市から、何が旬で何が起きているかをリポートするこのコーナー。
その街に今すぐ飛んで行きたくなる情報ばかりです!

text&photographs:KazuyoYasuda(KRess Europe)