ロンドンの格調高いホテルはとり澄ましているどころか、常に華々しく、かまびすしい。

 王族やセレブたちの人間臭く賑やかな逸話に加え、最先端を突っ走る食やサービス、そして家よりも落ち着ける快適さと平穏もあり。ロンドン滞在だからこそレガシーホテルを遊び尽くせ!

» 第1回 ロイヤルだからこそ親しみやすい「クラリッジス」
» 第2回 ダンディでコスモポリタンな「ザ・コノート」
» 第3回 絶妙のプライベート感「ザ・バークレー」

小気味よく新鮮なクラシックの愉悦

◆ THE LANESBOROUGH (ザ・レインズボロウ)

左:「ザ・ライブラリー・バー」手前の「ウィズドローイング・ルーム」。柔らかで瀟洒な雰囲気がホテルの隅々に行き渡っている。トロンプルイユにも注目。
右:“天上”を名乗るレストラン「セレステ」。

 2015年、改築を済ませて再オープンしたザ・レインズボロウ。最高傑作のホテルが集められたオトカーコレクションのひとつだ。

左:ザ・レインズボロウ・スイートはコネクティングルーム抜きでも広さ251平方メートルに及ぶ。
右:バスルームも瀟洒な雰囲気だ。

 客室には、空調や照明、ホテル内施設の予約などを手元でコントロールできるタブレットPCが備わり、すべてのインフラを一新。宿泊客一組ごとにバトラーがあてがわれ、希望すればロールス・ロイスやメルセデス、アウディのリムジンで外出できるなど、よりシームレスで個々に合わせたサービスを掲げている。

宮殿のようでありながら、どこかリラックスできる邸宅らしさをとどめている。

 リージェンシー様式のマナーハウスをイメージした内装は、デザイナーのアルベルト・ピントが手がけた。パステルカラーのリッチな配色は、まさに18世紀の気のおけない宮殿のよう。

バッキンガム・ガーデンとナイツブリッジの間、ハイドパーク・コーナー目の前という至便な立地だ。

Photo=Yuji Ono
Text=Kazuhiro Nanyo
Coordination=Mihoko Ogawa-Higgins
Special Thanks=VisitBritain