イタリア3大ワインのひとつ
「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の故郷へ

 ワイン好きの方ならきっと聞いたことがあるでしょう。イタリア3大ワインのひとつに数えられる「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」。しっかりとした深い味わいが、世界中で人気のワインです。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの試飲会「Benvenuto Brunello 2016」の会場。

 2016年2月、今シーズン初のブルネッロ・ディ・モンタルチーノの試飲会がモンタルチーノ町で開かれました。127もの生産者が集って行われた試飲会には、連日たくさんのワインやレストラン関係者が集まり、会場はあふれんばかりの大盛況でした。

 今や世界中で人気のこのワインには、ちょっと特別なストーリーがあります。

 今回は、おいしいワインのお話と、そんなワインを育む美しいモンタルチーノの町をご紹介します。

豊かな自然に囲まれた町、モンタルチーノ

 モンタルチーノの町は、イタリアの中央部トスカーナ州シエナ県にあります。美しい丘陵地帯として日本でも有名なオルチャ渓谷をはじめ、緑豊かな大地に囲まれた丘の上につくられた小さな町です。

モンタルチーノの町並み。

 その歴史は古く、紀元前エトルリア時代から人々が住んでいたとされ、史記では814年に初めて名前が挙がっています。中世には皮革製造で知られており、ローマとフランスを結ぶ街道にあった町は、流通の基点として重要な役割をもっていました。

左:町のシンボル、時計塔のある市庁舎。
右:町からの眺め。

 町は今も中世の面影を色濃く残しています。

左:町の広場にて。
右:町のランドマーク、モンタルチーノ要塞。

 残っているのは町並みだけではなく、古き良き時代の穏やかな雰囲気が今そのまま町を包んでいます。

町の公園から見渡す景色は緑の大地。

文・撮影=藤原亮子