大正から昭和初期、豊かな柄行で女性たちの心をとらえた銘仙。色の境界が滲んだような絣の絹織物には独特の風合いがあります。コーディネートされた作品も見所の一つ。レトロモダンな和装の世界をお楽しみください。



大正から昭和初期に女学生を中心に大流行した「銘仙」(めいせん)。

平織りの絹織物で「絣(かすり)」と呼ばれる経糸と緯糸をズラして織る技法により生み出された、色の境界が滲んだような表情が特徴です。色とりどりでかわいらしいデザインも多く、現在ではアンティーク着物としても高い人気を博しています。「ファッションは時代を映す鏡」といわれるように、銘仙の紋様や着こなしから、社会情勢や女性のライフスタイルの変化など、当時の世相を垣間見ることができます。

本展では、桐生正子氏(銘仙コレクター・研究家)のコレクション約600点の中から選りすぐりの着物約60点や関連資料などを展示し、レトロモダンな銘仙の魅力をご紹介します。


格子に蝶々尽くし文様(単衣)

市松格子に孔雀羽文様(単衣)+女袴

格子にプリムラ文様(単衣)

白地に赤黒幾何学文様

■開催概要

1)タイトル   特別展「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」

2)会  場   神戸ファッション美術館(神戸市東灘区向洋町中2-9-1)

         電話 078-858-0050  ファックス 078-858-0058

3)会  期   2025年4月12日(土)~6月15日(日)

4)開館時間   10時~18時(入館は17時30分まで)

5)休 館 日    月曜日、5月7日(水) ※ただし5月5日(月・祝)は開館

6)観 覧 料    一般:1,000(800)円、大学生・神戸市外在住の65歳以上:500(400)円

         高校生・神戸市内在住の65歳以上:無料

         ※( )内は有料入館者30人以上の団体料金

         ※和装でご来館の方は団体料金を適用

7)主  催   神戸ファッション美術館、神戸新聞社、毎日新聞社

8)後  援   サンテレビジョン、ラジオ関西

9)企画協力   Ponia-pon、Nasu Meisen Lab.

10)装飾協力   大阪樟蔭女子大学

■展示構成

1.Neo Classic

 … 日本の伝統紋様を新解釈した古典プラス柄

明治時代、日本の伝統柄が西洋文化の影響を受けて、大胆に、カラフルに変化しました。その流れを受けた新しい伝統文様のグループ。新しさもあるけど、目になじんだ文様は多くの女性に好まれました。


流水に睡蓮文様(単衣)

フルーツ尽くし文様(単衣)
2.Girlish

 … ロマンチックな西洋風の花や蝶や小鳥たち

西洋文化の洗礼を受けた女学生たちに好まれたロマンチックな柄。西洋の花々、蝶、小鳥、リボン、チェック…。昭和初期には少女雑誌も大ブーム。女学生独自のサブカルチャーも生まれ、高畠華宵など人気画家の影響も受けたようです。

3.Geometric

 … 新しいアートの潮流を汲んだ幾何学模様

昭和初期、職業婦人として働く女性たちに向けて百貨店は新しいイメージの銘仙をつくるプロジェクトを立ち上げます。そのデザインを担っていたのが当時の前衛アーティストたち。世界的に流行していたロシアアバンギャルドの影響を受けたデザインの着物も数多くつくられました。


ロシア・アバンギャルド風文様(部分)

エリザベス女王戴冠式文様(四つ身)

4.Kitsch

 … 時代やブームを読み込んだ楽しい意匠

世相や時代を織り込んでいた銘仙。南方への憧れを椰子の木柄に織り込んだり、太平洋航路の就航を祝ったと思われる柄も。楽しい柄だけでなく、戦争が激化する中でつくられた銘仙柄もあります。

■出品内容

 銘仙約60点(うちコーディネート展示約20体)、図案の原画、生地見本、当時のポスターなど

◎お問い合わせ

神戸ファッション美術館

(指定管理者:神戸新聞地域創造・神戸新聞事業社共同事業体)

担当:今中

TEL:078-858-0050

URL:https://www.fashionmuseum.jp

E-mail:press@fashionmuseum.jp

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