ミラノで気軽にフランチャコルタを楽しむならやっぱりアペリ。定番から最新まで押さえておきたい!

フランチャコルタとは?
ミラノの北部フランチャコルタ地方で造られるDOCG(統制保証付原産地呼称)に認定されるハイクオリティな発泡性ワインのこと。瓶内2次発酵、かつ瓶内熟成18カ月以上など厳格な規定がある。現在手がける生産者は、約120社。繊細で柔らかい泡からキリリとしたものまで風味も様々。飲み比べて珠玉の一本に出合いたい。

» 第1回 ヴィンテージソファで上質な泡を「ビチェリン」
» 第2回 定番アペリは運河沿いのテラス席「カンティーナ・コンコルディア」

◆ Panificio Davide Longoni
(パニフィーチョ・ダヴィデ・ロンゴーニ)

天啓を受けた哲学研究者がパン職人へと転身!

 代々パン屋さんを営む家族に生まれながらも、哲学を学び、学者への道を歩んでいたダヴィデ・ロンゴーニ。ある時、自然酵母パンの美味しさに目覚め、パン職人へと方向転換。職人のDNAと熱心な研究心から作り出されるパンは評判を呼び、自身のパニフィーチョ(パン工房)を構えるまでになった。

表面を硬く焼き上げた伝統パンは、切らなければ1週間程度日持ちする。日本へお持ち帰りも可能だ。

 毎朝工房で焼き上げるパンは、石挽きの有機小麦のみを使い、自然酵母リエヴィト・マードレで発酵する。発酵中の生地の一部をさらに発酵させ、次のパンの発酵に使うイタリアの伝統的な発酵方法で、噛めば噛むほど、深い香りと味わいのパンが出来上がる。

左:自身のパン哲学を記した本も出版。
右:ワインもこだわり、ビオやビオディナミのみ扱う。話題のオレンジワインも。

 イタリア中の小麦を研究し、現在は、シチリア産の古代品種に着目。古代ローマの穀倉、と謳われた豊かな大地シチリアで復活した、話題の古代小麦やヒトツブコムギを使ったパン、クルミやレーズンのパンなど、常時12~13種が店頭に並び、毎日売り切れ御免の人気ぶりだ。

 アペリティーヴォでは、日替わり有機ワインに自家製パン数種をサービスする。泡のグラスも3種用意。職人のパンと泡のマリアージュを体験したい。

Panificio Davide Longoni
(パニフィーチョ・ダヴィデ・ロンゴーニ)

所在地 Via Tiraboschi 19, Milano
電話番号 02-91638069
営業時間 7:30~22:00(月曜 ~15:00、日曜 8:30~13:00)、アペリタイム 18:00~22:00
定休日 無休
URL http://panevino.panificiodavidelongoni.com/

取材・文=岩田デノーラ砂和子
撮影=坂手 尋