ミラノで気軽にフランチャコルタを楽しむならやっぱりアペリ。定番から最新まで押さえておきたい!

フランチャコルタとは?
ミラノの北部フランチャコルタ地方で造られるDOCG(統制保証付原産地呼称)に認定されるハイクオリティな発泡性ワインのこと。瓶内2次発酵、かつ瓶内熟成18カ月以上など厳格な規定がある。現在手がける生産者は、約120社。繊細で柔らかい泡からキリリとしたものまで風味も様々。飲み比べて珠玉の一本に出合いたい。

» 第1回 ヴィンテージソファで上質な泡を「ビチェリン」
» 第3回 自然酵母パンが美味「パニフィーチョ・ダヴィデ・ロンゴーニ」

◆ Cantina Concordia (カンティーナ・コンコルディア)

定番のアペリティーヴォなら運河沿いのテラス席がマスト!

運河沿いに並ぶテラス席。

 かつてミラノには、いくつもの運河が張り巡らされていた。中世に造られた、生活物資を運ぶための人工水路。その多くは、すでに埋め立てられてしまったが、ポルタ・ジェノヴァ近くには、2つの運河が今も残されている。

 ナヴィリオと呼ばれる運河界隈は、昔ながらの下町情緒が漂い、庶民的なミラノを体感できる人気のエリア。カジュアルなロカーレ(飲食店)が軒を連ね、アペリティーヴォの激戦区としても知られている。「カンティーナ・コンコルディア」は、そんな人気ロカーレのひとつ。テラス席から夕暮れに染まる運河を眺め、アペリティーヴォが楽しめる。

左:サラミや生ハムの盛り合わせなど、おつまみとセットでグラス1杯 7ユーロ。
右:立ち飲みも最高。

 ハッピーアワーでは、飲み物とセットで、生ハムやサラミなどのおつまみを用意。夜は、ビストロ風のメニューのエノテカ・リストランテになる。

 場所柄、観光客が多いが、仕事帰りに立ち寄る地元のミラネーゼも多く、デカダンスなインテリアが飾るバーカウンターに座れば、軽口を交わして戯れるスタッフと常連客に、たちまち巻き込まれたりもする。フランクなミラノも、たまにはいい。散策途中に気軽に訪れたい店だ。

左:カウンター席でおしゃべりに参加するのも楽しい。
右:ワインリストも充実。

Cantina Concordia(カンティーナ・コンコルディア)
所在地 Ripa di Porta Ticinese 61, Milano
電話番号 02-89422744
営業時間 17:00~夜中(土・日曜 9:30~翌2:00)
定休日 12月25日
URL http://www.cantinaconcordia.it/

取材・文=岩田デノーラ砂和子
撮影=坂手 尋