マルケ州ってイタリアのどこにある?

 日本人にはあまり馴染みのない中部イタリアのマルケ州。イタリア20州の中でもどちらかと言えば地味な存在だが、実は、早くから有機栽培を取り入れた農業を行ってきた、食に関しては革新的とも言える州なのだ。

トライヤヌス帝の凱旋門が残るマルケ州州都のアンコーナ。古代ローマ時代は重要な港町だった。
東側にアドリア海を望むマルケ州。バカンス時の海岸線は夏の休暇を楽しむ人々で賑わう。

 アドリア海に面する東側では豊富な魚介類が、秋が深まると内陸部ではジビエや山の幸が堪能でき、グルメにはとても人気が高い州でもある。トスカーナ地方に劣らない、いや、もしかしたらそれ以上の芸術・自然・食文化を持ちながらも、今ひとつ海外での知名度が低いせいか、ホテルもレストランも価格はリーズナブル。そこに目をつけて、ここ10年ほど、イギリスやドイツの富裕層が、地価の高いトスカーナ地方からマルケ州へと鞍替えをし、不動産(別荘)を購入しているという話も耳にする。

アンコーナ県アルチェヴィアへ向かうまでの道のり。気持ちのよい田園風景が広がる。
カラフルで個性的なイラストで埋め尽くされた本社。遠くからでも大きな目印に。

 東京・中央区で私が主催している日伊文化交流サロン「アッティコ」のイタリア料理教室でもマルケ州産の有機食材を使用している。この春、私の帰国に合わせて日本へ遊びにきたイタリア人の友人に食べさせたら「美味しい!」と絶賛。イタリアへ戻ったら、ぜひ彼等を訪ねてみようということで意気投合し、その後、早速連絡を入れ、ドライブを兼ねて彼等の本拠地であるマルケ州アンコーナ県の小さな街、アルチェヴィアへ向かうことにした。

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文・撮影=村本幸枝(アッティコ)