広々とした庭園には古代ローマの遺跡が残る

 広大な敷地には、屋内のスパエリア、温水プール数種、足湯、レストラン、ホテル、スポーツジム、リラクゼーションルーム、エステ(ボディ&フェイスマッサージ)など、様々な施設が贅沢にちりばめられているのだが、およそ2000年の月日を遡れば、そこはローマ皇帝、トラヤヌス帝(在位98-117年)が建設した古代ローマの港が存在した場所だった。そのため、広々とした庭園を散策していると当時の遺跡に出くわしたりする。

貴族の館として使われていた頃の家畜用水飲み場は修復の後、そのまま温水プールとして再利用。
最も人気があるメインプールは広々としたサイズで日光浴が楽しめる。
左:メインプールの脇にあるサロンエリアではお茶やアペをしながらリラックスすることも。
右:メインプールの奥にあるジャグジーは疲れた体を少しずつほぐしてくれる。

 そんなタイムスリップが楽しめるのもローマだからこその醍醐味だろう。近くに温泉の源泉がないことから、その時代の多くのローマの公衆浴場がそうであったように、プールが温泉水でないのは少々残念な点だが、それを差し引いても余りある充実度の高さである。

庭園のところどころで見かける古代ローマ時代の名残り。ローマならではの醍醐味だ。
左:ちょっと休憩したいときはリラクゼーションルームでひと休み。
右:館内のあちらこちらにひと休みできるサロンが設けられている。
椅子の揺れに身を任せながらゆったり音楽を聴いていると体も心も次第に癒されていく。

文・撮影=村本幸枝(アッティコ)