街並みと料理で味わう、東洋の中にある西洋

世界遺産である「マカオ歴史市街地区」は道標もあって歩きやすい。

 3日目は早起きして、午前中は世界遺産「マカオ歴史市街地区」の美しい町並みを楽しもう。

 マカオにポルトガル人が渡来したのは、16世紀の初め。以来、西洋と東洋の交易の地として栄えたマカオには、今もその名残を数多く見ることができる。

波模様を描くモザイクの石畳にパステルカラーの建物が並び、ポルトガルのような雰囲気を醸し出すセナド広場。

 「マカオ歴史市街地区」は、半島の中心の賑やかな街中に位置する。16世紀に渡来したポルトガル人の残した22の歴史的建造物と8つの広場があり、今では世界遺産に登録されている。

 アズレージョと呼ばれるポルトガルの青いタイルの内装が美しい「民政総署」、その前に波模様のモザイクが広がり人々がその上を行き交う「セナド広場」、そして東洋におけるキリスト布教の拠点であった「聖ポール天主堂跡」は有名だが、ポルトガルそして中国の両方の影響を受けた建物はどれも歴史的な深い美しさを漂わせている。

左:ポルトガルと中国、両方の影響を受けた料理が数々並ぶ「トロンバ・リージャ」のブッフェ。
右:「陶陶居海鮮火鍋酒家」のメニューには、焼売、春巻、腸粉などからスイーツまで点心がずらりと並ぶ。注文は、欲しいものに印を付けるという仕組み。

 滞在中の食事は、いろいろな種類のグルメを楽しみたい。マカオが一望できるマカオ・タワーの一階にあるレストラン「トロンバ・リージャ」のブッフェで、いろいろなポルトガル料理を楽しむのもいいし、散策途中にマカオの海鮮中華の有名店「陶陶居海鮮火鍋酒家」であれこれおいしい飲茶をつまむのもいい。

スパイシーなアフリカン・チキンはマカオの名物料理。「カフェ・リトラル」にて。

 炒めタマネギの甘みとスパイスが絶妙な味付けのアフリカン・チキンなどマカオ料理を食べてみたいなら、ノスタルジックな雰囲気がいいタイパにある「カフェ・リトラル」へ。深みのある味付けで、スープや海鮮の炒め物、バカリャウ(塩漬けのタラを干したもの)のコロッケなど何を食べてもおいしい。

左:レストラン「ベロン」の入るホテル「バンヤンツリー・マカオ」。
右:「インペリアル・コート」のアオガニの芙蓉蒸しは、蟹の出汁の茶碗蒸しのよう。

 ホテル内のレストランも充実している。コタイのラグジュアリーなホテル「バンヤンツリー・マカオ」31階にあるレストラン「ベロン」で、絶品のシーフードときらびやかなマカオの夜景を楽しむという手もある。マカオ半島の華やかなホテル「MGMマカオ」内の「インペリアル・コート」は、素材の味が引き立つ上品な味付けの広東料理店だ。

Tromba Rija(トロンバ・リージャ)
所在地 Grand floor, Macau Tower, Macau
電話番号 +853-2896-2878
URL http://macautower.com.mo/dining/tromba-rija

陶陶居海鮮火鍋酒家
所在地 6 Travessa do Mastro
電話番号 +853-2857-2629

Café Litoral(カフェ・リトラル)
所在地 Rua Do Regedor, Bloco 4 Wai Chin Kok Nos 53-57, Taipa
電話番号 +853-2882-5255
URL http://www.restaurante-litoral.com/

Belon(ベロン)
所在地 31F, Banyan Tree Macau, Macau
電話番号 +853-8883-6090
URL http://www.banyantree.com/en/cn-china-macau/belon

Imperial Court(インペリアル・コート)
所在地 MGM Macau, Avenida Dr. Sun Yat Sen, NAPE, Macau
電話番号 +853-8802-2361
URL http://www.mgmmacau.com/imperial-court

 短い日程で、東洋と西洋、ラグジュアリーな大規模リゾートとローカルタウン、賑やかな現在の街と静かな歴史遺産を駆け巡ったマカオ。いろんな魅力がぎゅっと詰まっていて、次は時間を取ってそれぞれをゆっくり味わいたいと思ったマカオ弾丸旅だった。

【取材協力】
マカオ観光局

http://www.macautourism.gov.mo

キャセイパシフィック航空
http://www.cathaypacific.com/

小野アムスデン道子 (おの アムスデン みちこ)
ロンリープラネット日本語版の立ち上げより編集に携わったことから、ローカルグルメや非日常の体験などこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ ジャーナリストへ。エアライン機内誌、新聞、ウェブサイトなどへの寄稿や旅番組のコメンテーター、講演などを通して、次なる旅先の提案をしている。
Twitter https://twitter.com/ono_travel

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2015.02.17(火)
文・撮影=小野アムスデン道子