美食の宿でシャンパンと洗練された料理のマリアージュに陶酔し、新進の造り手からシャンパンの新しいムーヴメントを知る。ランスを中心にシャンパーニュ地方を巡る、魅惑の旅へ。

» 第1回 新3ツ星シェフによる、刺激的なグルメ・ホテル 「ラシエット・シャンプノワーズ」

Les Avisés (レ・ザヴィゼ)

 かのジャック・セロスのホテル・レストランではカーヴ見学ができ、シャンパンとともに食事が楽しめ、宿泊できる。シャンパン・ファンの夢のステイを体験。

半熟卵に、グラッセしたアスパラガス、トリュフ、極薄のラードを加えた一品。季節の素材が絡み合い心地いい味わい。

セロスのメゾンで季節の味を賞味

左:朝食はボルディエのバター、地元のジャムなど、良質なもの。
右:窓越しにキッチンが見えるレストラン。馴染み客は席に着く前にシェフに会いに行く。

 シャンパン・メゾン、ジャック・セロスの当主アンセルム・セロス氏は、ブドウ栽培から醸造まで手がけるレコルタン・マニピュラン(RM)のカリスマ、シャンパンの巨匠だ。自然農法に学んだ、その製法はシャンパンの新しい時代を切り開いた。そのセロスがホテル・レストランを2011年にオープン。客室は10室のみで、ブリューノ・ボリオネ氏による白を基調としたモダンでクリーンな内装にはヴィンテージのトランクやオブジェで温かみが加えられている。それぞれ“乾杯”の意味の各国の言葉が付けられているのはシャンパン・メゾンならでは。

左:客室サルーテは離れの2階に。
右:エペルネから車で約15分、ランスから約45分のアヴィズ村に立つ。

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撮影=小野祐次
文=安田薫子