東南アジア、ボルネオ島の北西部、南シナ海に面した小国、ブルネイ。
今年は、日本がブルネイと外交関係を結んで30周年。この間、ブルネイにとって日本は最大の貿易相手国であり緊密な経済関係を続けてきた。そんな我々にとって“親しい国”ブルネイを知るために、海を渡ってみた。
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水と戯れ、森と一体化する。そこに新しい景色が現れる
Ulu Temburong National Park (ウル・トゥンブロン国立公園)
【Access】
バンダル・スリ・ブガワンのボート乗り場から、高速ボートで約45分、バンガール・タウンに向かう。そこから車に乗り換えて20分、トゥンブロン川のキャンプ地へ。さらにロングボートに乗って45分ほどで国立公園の入り口に到着する。入園料は5ブルネイ・ドル。通常は、ツアーを利用する。
エコ・ツーリズムに出かけなければブルネイに来た意味がないだろう。
街のボート乗り場から車とボートを乗り継いで2時間、約5万ヘクタールのウル・トゥンブロン国立公園に到着する。この道程で、十分にジャングルの奥地にやって来たことを実感するが、本当のチャレンジはここから。ボートを降りると、一気に森林に包み込まれる。あとは階段を上って行くだけだ。約1.6キロに及ぶトレッキングを終えた先に現れるのが、海抜300メートルの高さに設置された鉄塔とそこから延びる吊り橋だ。ここまで来たら、どんなに怖くても鉄塔を上ろう。鉄パイプにしがみつきながらも顔を上げた先に見える景色がいかに雄大かは、筆舌に尽くしがたい。
右:キャンプから国立公園にはボートで45分ほど。これぞジャングルクルーズ。
日帰りツアーなら9時間ほどだが、ロッジに1泊すると、一層楽しめるだろう。カヌーや釣りなどの川遊びや、ジャングルに囲まれた川岸で何も考えずにぼんやりと過ごすのも良さそうだ。肌で感じたボルネオ島の大自然を、深く心に刻んで帰ってほしい。
ランチは川沿いでシーフード料理
いい運動をして帰ってきたら、美味しいランチが待っている。ここはフレーミートラベル所有の宿泊も可能なロッジ。このあたりで獲れる一番大きなエビのチリソース炒め。地元イバン民族の親子が料理してくれる。他にも、チキンカレー、野菜のクリーム煮、インゲンサラダ、スイカなどでお腹いっぱい。カヌーや釣りなども楽しめる。
ボルネオ島の先住民族、イバンの暮らしを訪ねる
かつては首狩りを行うことで知られたイバン民族がこのあたりに暮らしている。彼らの住まいは木造高床式で、ルアイと呼ばれる長い廊下が特徴的。複数の家族が一つのロングハウスに暮らし、この廊下を共有スペースとして親戚間の話し合いや、客人を招き入れる場所に使う。写真の右側のオレンジ色の扉が各家族の住居の入り口。猫も住民と同様ひがな一日のんびりと過ごす。集落の周りにはブーゲンビリアが咲き誇る。
写真=杉山拓也
文=CREA Traveller編集部
コーディネート=清水典子(フレーミートラベルサービス)