百塔がそびえる古都プラハを離れ、美しい自然に囲まれた郊外の町へ行ってみよう。そこには、みんなを笑顔にするノスタルジックな風が流れている。

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ヨゼフ・ラダの故郷、フルシッツェで
HRUSICE

 プラハから列車に乗って30分も行けば、そこに広がるのは、のどかな田園風景。小さな駅を降りて歩いていくと、可愛いイラストいっぱい、絵本画家ヨゼフ・ラダの故郷が……。

あの人気キャラを村内で発見!

 チェコには、おじいちゃん・おばあちゃんの時代から、今も変わらずにずっと愛されているものが実に多い。ヨゼフ・ラダの絵本もそのひとつだ。

 1887年にフルシッツェに生まれたラダは、プラハで製本職人として働きながら絵画の世界を志す。そして国民的作家ハシェクと出会い、『善良なる兵士シュベイク』のイラストを担当したことで、自らも国民的絵本画家への道を歩むことになった。あの太った兵士のグッズは、今やチェコじゅうのお土産屋さんの店先を飾っている。

 そしてもうひとつ忘れてならないのが“黒ねこミケシュ”だ。人間の言葉をしゃべる黒ねこの冒険は、今も昔も子どもたちの大好きなストーリー。どこかユーモラスで心が和むラダの作品世界を、生まれ故郷の村で楽しみたい。

緑に囲まれた小さくて美しい村

 赤い屋根の家が身を寄せ合うように佇んでいるフルシッツェ。村内にあるのは、教会と居酒屋、アイスクリーム屋さんぐらい。ラダの生家(写真左)もあるが、内部に入ることはできず、私たちは外から眺めるだけ……。

【Access】
プラハ中央駅からベネショフ(Benešov)方面行き列車で約35分のストランシツェ(Strančice)駅下車、490番バスに乗り換えて約15分。鉄道の場合は、ミロショヴィツェ・ウ・プラヒ駅から徒歩約40分

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橋本 篤=写真
矢野詔次郎=構成・文
クレメントゆみ子=コーディネート

この記事の掲載号

泣かせるプラハ

CREA Traveller 2014年冬号

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