神の島と呼ばれる、癒やしの土地

◆久高島(くだかじま)
[南城市]

 南城市知念の安座真港から高速船で約15分。斎場御嶽から見える久高島は、アマミキヨが最初に降り立ち、国造りを始めた場所とされている。

 神の島とも称される島には、御嶽やイビと呼ばれる拝所が多く点在し、今も島に暮らす人々は旧暦に従い、大小様々な神事・行事を大切に執り行っている。

 「海蛇(イラブー)の燻製は島の名物ですが、これも神事のひとつ。漁の期間も決められていて、燻製の作業が無事終わったら、感謝の祈りを捧げるのです」と島出身のガイド西銘武良さん。

 集落へ歩みを進めると、石灰岩で組まれた石垣や、赤瓦屋根の家屋が軒を連ねる。一見すると昔ながらの沖縄らしいのどかな風景だ。

 しかし、草の生えた空き地が祭事を行う神聖な場所であったり、民家の裏にひっそりと香炉が置かれていたり、島のそこかしこが実は祈りにつながる場所なのだ。

「沖縄は自然崇拝。島の草や木、石や岩には神様が宿っていて、その一つひとつに意味があるのです」

 島の人々が大切に守り、受け継いできた文化を知ると、目に入る島の風景がより美しく、愛おしく思えてくる。

久高島(くだかじま)

所在地 沖縄県南城市知念久高 
交通 南城市・安座真港から高速船で約15分、フェリーで約25分
【ガイドの予約】
久高島ガイド友の会 
https://kudakajimaguide.jimdofree.com/ 
※料金、所要時間はコースによって異なる

Text=Saori Goya
Photographs=Takashi Shimizu