異なる歴史をもつ南部鉄器の二つの産地。

 それぞれの仕事に誇りをもち種類で楽しませ、地元の雇用を支える方法と父の心を受け継いで作り続ける流儀と。

 いずれも、長く楽しめる良品に違いはない。おすすめの2店をご紹介。


歴史ある街並みで、“釜定ブラック”に出合う

◆釜定(カマサダ)

 祖父・宮定吉氏が、本家から分家して、奥州街道のメイン通りだったこの地で鉄瓶製造を販売を始めたのが1908年。2代目の父・昌太郎氏は数々のモダンな作品を残した。

 「この釜と同じものを作ってくれ」と頼みにきた柳宗悦に、創造性に富んだ2代目は「人の真似はしない」と即座に断った逸話のある方だ。

 デザインを学んだ3代目の伸穂さんが手がけた物も名品揃い。料理家の愛用品などでご覧になった方も多いはず。

 作り方も販売も、昔ながらのスタイルを続ける釜定だが「娘が密かにインスタで情報を発信しているようだ」と、伸穂さんは照れながら教えてくれた。

 息子の昌太朗さんも職人として働き、これからも楽しみだ。

釜定(カマサダ)

所在地 岩手県盛岡市紺屋町2-5
電話番号 019-622-3911
営業時間 9:00~17:30
定休日 日曜

Feature

盛岡と水沢、それぞれの南部鉄器
鉄器がもたらす、豊かな暮らし

Text=Akiko Hino
Photograhs=Wataru Sato

この記事の掲載号

手仕事からアートスポットまで <br />デザインで巡る東北

CREA Traveller 2021年秋号

手仕事からアートスポットまで
デザインで巡る東北

定価1,350円 (税込)

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CREA Traveller 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在は異なる場合があります。