パリはそこにいるだけで幸せが込み上げてくる街だ。その幸福感をより高揚させるためにも、ホテルはしっかり選びたい。

 間違いなしの至福の2軒をお届けします。今回は「ル・ロワイヤル・モンソー ラッフルズ・パリ」です。

» 第2回 「ル・ブリストル・パリ」

ル・ロワイヤル・モンソー ラッフルズ・パリ

「ラ・キュイジーヌ」のインテリアはモダンシック。パリで最もお洒落な人々が集う話題の空間だ

 いまパリで、最も光り輝くホテルと言っていいだろう。お洒落でゴージャスでスタイリッシュ。そして美しく機能的でもある。

 フランス人デザイナー、フィリップ・スタルク氏の鬼才と途轍もない資金が結びついたとき、いかなる細部もないがしろにしない、夢のようなホテルが誕生した。ハードに関しては、世界最高峰の一つだろう。

「世界でいちばん清潔な雰囲気をつくりたかった」というスタルク氏の言葉通り、メタルと鏡を多用した内装は見事だ。そしていたるところに革張りの家具が置かれ、重厚な落ち着きを醸し出している。

左:広々とした1階ロビーには、チェアとテーブルが点々と置かれ、気ままに憩うことができる
右:ロビー脇の階段上に吊り下がる12のバカラのシャンデリア。デザイナーのスタルク氏は鏡を用いて美しくも幻想的な空間を生み出した

 スタッフは、皆明るくフレッシュ。日本人スタッフもいて、朗らかにサービスに努めてくれるのが嬉しい。

美意識が隅々まで行き渡ったプレジデンシャルスイート541号室のリビング。家具はイタリアのカッシーナとスタルク氏の特注品
かつてないほど素晴らしい寝心地を約束してくれるベッド。ジャカード織りのリネンはきめが粗すぎず細かすぎず、肌触りがとてもいい

 そもそも、前身となるル・ロワイヤル・モンソーがオープンしたのは1928年。それが2010年10月、スタルク氏の手によって生まれ変わった。エントランスから一歩入った途端、「上質な大人の隠れ家」を感じるのだが、随所に置かれたチェアによって、洒落た倶楽部にでも入り込んだような、茶目っ気と自由さも感じる。一言でいえば、居心地がいいのだ。

 客室に移動しても、ゴージャスな印象は変わらない。革張りのソファや調度品の一つにいたるまで、美意識が貫かれている。特筆すべきは、ベッドの寝心地か。肌触りのよい刺繍付きのリネンと硬さがなんとも素晴らしいマットレスは、究極の眠りをもたらしてくれるはずである。

<次のページ> ミシュランの星付きレストラン&充実のスパ

photographs:Yuji Ono
text:CREA Traveller