寒流と暖流が交差する澄んだ海に囲まれ、全国に名だたる米どころでもある島だけに和食への期待も高まるもの。

 魚も野菜も鮮度がいいのは当たり前。食材と真摯に向き合って生まれた創意工夫と技を堪能したい。

 おすすめの和食スポットを4回に渡り5軒ご紹介。


一期一会の島食材を希少な酒とともに嗜む

◆四季菜割烹  伝(しきさいかっぽう でん)

 華やかな色絵皿の中で存在感を放つ、圧巻の刺身の盛り合わせ。多い時には10種以上もの魚が一堂に会するというから、この一皿だけでも佐渡の海の豊饒さを実感できるだろう。

 店主の曽我真人さんは佐渡出身だが、ご夫婦ともに東京の日本料理店で長らく経験を積み、知識と技を携えて郷里に戻った。

 無理をすればなんでも手に入った東京時代とは異なり、皿にのぼるのは、今まさに旬の島食材だけ。そのスタンスが新しい料理を生み出している。

 島の夏の風物詩である飛び魚は梅しそ揚げにして、脂ののった旬魚を梅でさっぱりと。

 肉厚の鯖を締め、香ばしいごま入りのシャリごと焼いた“焼鯖棒寿司”は〆の食事にしてもいいし、酒の肴にもいい。

 農家でもある実家で作った干し柿はドライフルーツとしてチーズに合わせるなど、島食材が様々な料理に生まれ変わる。

 訪れる度に食べられる食材は変わってゆき、四季の移ろいが料理と呼応する。それこそが、島ごはんの醍醐味。

四季菜割烹  伝(しきさいかっぽう でん)

所在地 新潟県佐渡市畑野126-5
電話番号 0259-67-7161
営業時間 17:00~22:30(21:30 L.O.)、平日のみランチ11:30~13:30
定休日 日曜
https://ja-jp.facebook.com/四季菜割烹-伝-765455386910635/

Feature

佐渡島の恵みがじんわり沁みる
ここでしか食べられない和食

Text=Kaori Minetsuki
Photographs=Jun Hasegawa

この記事の掲載号

2021年 日本の島旅へ

CREA Traveller 2021年夏号

2021年 日本の島旅へ

定価1,350円 (税込)

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CREA Traveller 2021年夏号
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