アクション、コメディ、ラブ……超絶クオリティのSF幕の内弁当

◆『ラブ、デス&ロボット』(2019年/Netflix)

 Netflixには実験的な試みの作品もありますが、2019年に配信されたこの『ラブ、デス&ロボット』もその一つ。本作は全18話で構成された大人向けのアンソロジーの短編アニメシリーズ。今年の5月14日にはシーズン2、来年にはシーズン3の配信も控えるなど、今話題の作品です。

 この作品は1話が最長でも17分とコンパクト。家事やお仕事の休憩時にサクッと楽しむこともできます。また、1話ごとに独立しているので、やめ時がわからなくなるなんていう心配もありません。

 ですが、本作はそんな手軽さとは裏腹に、世界最高峰のクリエイターが集結した超絶クオリティの映像美と、見入ってしまう渾身のストーリーが詰め込まれているのです。なにせ製作総指揮を務めたのは映画『デッドプール』のティム・ミラー監督と、名作サスペンス映画『セブン』のデヴィッド・フィンチャー監督ですからね。

 このシリーズにはタイトル通り「愛」「死」「ロボット(その他SFモチーフ全般)」を扱ったストーリーが集まっています。人類がいなくなった後の地球をロボット3人組がただ雑談しながら散歩するだけの話から、モンスター同士の大バトルまでジャンルが多岐に渡るので、きっとお気に入りの話が見つかるでしょう。

 オススメは第2話『わし座領域のかなた』。実写映画と見間違えるほどのCGと衝撃のオチが魅力。他には、第10話の『グッド・ハンティング』も、妖怪の少女とメカニックの青年の愛と絆、世の悪を成敗するひとりのヒーローの誕生譚として、抜群の完成度を誇っています。

 本シリーズは日本語吹き替えの声優陣もかなり豪華。甲斐田裕子、石田彰、田中敦子、大塚明夫、小野大輔、釘宮理恵など、そうそうたる面子が揃っているので、声優ファンならばぜひ吹き替えでご視聴ください。

◎あらすじ

『ラブ、デス&ロボット』

第二次世界大戦の最中、近未来の地下闘技場、人類滅亡後の地球に、遥か彼方の宇宙のはずれまで、さまざまな場所と時代を舞台に繰り広げられる「愛」と「死」と「ロボット」の物語。

2021.05.14(金)
文=TND幽介(A4studio)