イタリアと自転車と青空と

フィレンツェの町を一望できるミケランジェロ広場

 季節の変わり目に降る雨も上がって、これぞイタリア! という青空が広がる色鮮やかな春がやってきました。こうなると、俄然、ウキウキと外に出かけたくなるのは私だけではないと思います。雨上がり晴天の朝、青空に誘われ、お弁当を持ってサイクリングに出かけました。

モッツァレッラチーズと生ハムのパニーノをお弁当に

 中世ルネッサンス期に栄華を誇り、今もなお当時の面影を残すフィレンツェは街自体が世界遺産。その貴重な建築物を車の排ガスや振動から守るため、フィレンツェでは街への車の乗り入れが規制されています。そこで街の移動手段として頼りになるのが自転車。私もふだんから中古のロードバイクを愛用しています。

左:カンパニョーロ社のクイックリリース。古い物ですが、イタリアでは大事に使われます
右:オリーブ畑を横切る小道。すっかり春の色

 実はイタリアには、チネリ、コルナゴ、ビアンキなど、有名自転車メーカーが多くあります。また、それらを支えた自転車パーツメーカー、カンパニョーロは、自転車レースにおいて重要な車輪の交換の際、その脱着を簡単にするクイックリリースを開発するなど、初期自転車業界のパイオニアで、今でも自転車愛好家憧れのメーカーです。もちろん、愛好家でなくっても、イタリアならではの洗練されたデザインの自転車たちは、乗る人の気持ちを楽しくさせてくれます。

自転車で郊外へと走る。オリーブ畑の向こうに小さく見えるフィレンツェの大聖堂

 さて、春を楽しむサイクリング、スタートはフィレンツェを見下ろすミケランジェロ広場から。ここから街に背を向けて走ると、そこにはオリーブの緑溢れるのどかなトスカーナの景色が広がっているのです。

<次のページ> サイクリングを楽しむコツ