アレンジも可! 可能性は無限大

 さて、この汁なし坦々麺、説明書きには「お好みで各種調味料を加えて味変したり、自由自在に楽しくお召し上がりください」とあります。

 名店が監修したこんな完成度の高いメニューを、自由自在に楽しく召し上がっちゃうなんて、そんな罰当たりなことが許されていいんでしょうか? なんとも懐が深い。とはいえ、こんなに楽しそうな機会はなかなかありません。

 よし、最後の1食は、思う存分ジャンクなアレンジで楽しんじゃうことにしたいと思います!

 というわけで、いきなりフライパンに付属のラー油半分をいれ、たっぷりの“勝手に追い挽肉”と小ネギを炒めましょう。

 で、さらに刻んだニラたっぷり、揚げ玉、卵黄なんかも足してみちゃいましょうか。

 ひ~、もうなんていうか、「人類が手を出してはいけない領域」って感じのそそられ感。

 いざいただいてみると、お、たっぷりと加えたニラと挽肉には味をつけていないので、もともとの濃い味とのバランスがちょうどよく、むしろ意外にも上品な味わい。とはいえ各種食材にパンチがあるので、もりもりと食が進みつつお酒も進んじゃいます。あ~、うまい!

 お手頃な挽肉や野菜類を足すだけでしっかりボリュームが出るし、それでいてこのハイクオリティな味わい。これはおうちごはんとしては最上級のメニューと断言するにやぶさかでありませんよ。

 最後に残った挽肉たっぷりのタレは冷奴にかけてビールのおつまみにしたんですが、ピリ辛で旨味濃厚で、これまた最高だったな~。春~夏と気温が上がっていく季節にもぴったりだし、個人的にまたリピートしてしまいそう……。

 というわけで、基本形ですでにさすがのハイクオリティなうえ、アレンジの幅も、残ったタレの再利用の可能性も満載の、凪の汁なし坦々麺。在宅生活を豊かにしてくれること確実なので、ご興味があればぜひ!

パリッコ

酒場ライター・漫画家。酒場好きが高じて会社員から酒場ライターに転身。未知の大衆酒場、ちょっと怪しいとされる店にも果敢に訪れ、心のオアシスを発掘。酒場愛に溢れた文章やイラストは、吞兵衛の心をわしづかむ。酒カルチャー雑誌『酒場人』監修。著書に『酒場っ子』(スタンド・ブックス)ほか。
Twitter:@paricco

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2021.03.06(土)
文・写真=パリッコ