独自の世界観をもつ料理の数々
右:65度で加熱料理をした口溶け良い卵に、トリュフのソースを合わせたスペシャリテ
後藤さんの料理には、技術に裏付けされた自分の世界観がすでに宿っています。
例えば、生の菊芋とカニ肉をレムラードソースで和えたサラダに帆立のカルパッチョを載せたものや、65度で火を通したポーチドエッグは、すでに店のスペシャリテとなっています。後者には、トリュフが旬の時にはトリュフのソース&熟成コンテのトースト、あるいは、パルメザンのクランブルにパタネグラを添えたりなど、その時々の素材をあしらっています。
右:イチゴと抹茶のアイスクリームという、見た目も春らしい組み合わせ
クラシック料理の上に、きちんとオリジナリティを組み合わせており、繊細に仕上げる技は本物だと思いました。フォンテーヌブロー城と森もすぐそばですから、緑溢れる美しい城下町を堪能しながら、是非「ラクセル」にも足を運んで欲しいと思います。
L' Axel (ラクセル)
住所 43 rue de France 77300 Fontainebleau
電話番号 01-64-22-01-57
営業時間 12:15~14:00、19:15~21:30
定休日 月曜日の昼、火曜日、水曜日の昼
URL www.laxel-restaurant.com
料金 昼コース30ユーロ、48ユーロ、80ユーロ、アラカルト
伊藤文(いとうあや)
パリ在住食ジャーナリスト・翻訳家。立教大学卒業。コルドンブルー・パリ校で製菓を学んだ後、フランスにて食文化を中心に据えた取材を重ねる。訳書に『ロブション自伝』『招客必携』(いずれも中央公論新社)、著書に『パリを自転車で走ろう』(グラフィック社)など。日本復興支援協会GANBALO代表。
text:Aya Ito