欧州都市部では前年よりも低い公害レベルを保っている
「エクスムアは海に近いせいもあって、星がはっきり見えるのです。そう、海の近くでは星の瞬きが少ないんですよ。だから大きな天体望遠鏡がなくても、普通の双眼鏡さえあれば、相当数の星を鑑賞することができるのです。
でも、星空保護で得られるのは、美しい夜空だけではありません。光害は、生態系や人間の健康にも大きな影響を与えているのです。たとえば、光害によってある種の虫が生息できなくなったりすることは、科学的にもわかっています」
ジョーさんによると、幸いなことにここ4、5年の間に、星空保護を意識する傾向が世界中に広がっているとのこと。
特に今年はロックダウンにより、光だけでなく公害全般の減少が激しく、欧州都市部ではロックダウン後も前年よりも低い光害レベルを保っているというデータがあるそうです。
パンデミックを通して、自然とふれあうこと、折り合いをつけることの大切さが、いつにも増して重要視されている現在、星空の持つ意味も少し違ってきているのかもしれません。
移動が自由にできるようになったら、ぜひエクスモア国立公園の星空を体験してみてください。それまでは、オンライン・イベントをどうぞ。
前述のジョーさんのオンライン・ファミリー・ワークショップ「In the Night Sky」も10月26日開催予定。家族全員で楽しめるインタラクティブ・イベントです。
協力:英国政府観光庁(日本語サイト)
https://www.visitbritain.com/jp/ja
@LoveGreatBritain(インスタグラム)
https://www.instagram.com/lovegreatbritain_jp/
Exmoor Dark Skies Festival 2020
開催期間 2020年10月16日〜10月31日
https://www.exmoor-nationalpark.gov.uk/darkskiesfestival/
安田和代(KRess Europe)
日本で編集プロダクション勤務の後、1995年からロンドン在住のライター編集者。日本の雑誌やウェブサイトを中心に、編集・執筆・翻訳・コーディネートに携わる。
●ロンドンでの小さなネタをつづったインスタグラム @gezkaz
●運営する編集プロダクションのウェブサイト http://www.kress-europe.com/
Column
かつて王都を誇ったロンドンは、いまだ偉大なパワーを持ち、魅力溢れる街。そう、この都会はいつまでも飽きることがありません。世界の中心から発信される素敵な情報を、現地からそのままお届けします!
文・撮影=安田和代(KRess Europe)