忘れてならないのがテト料理
そして忘れてならないのがテト料理。バインチュンやバインテトと呼ばれるベトナム版ちまきがその代表で、もち米をゾンと呼ばれる葉で包んで蒸したこの料理は、テトの食卓に欠かせません。もち米の中には緑豆やバナナが入り、ほんのり甘いその味は、ベトナムの人々にとって、まさに春の訪れを告げる味。街中のレストランで出されることは少ないですが、道端の屋台で多く売られていますので、興味のあるかたはぜひお試しあれ。
ちなみに冒頭の「チュック・ムン・ナム・モーイ(Chuc Mung Nam Moi)」とは、ベトナム語で「明けましておめでとうございます」の意味。テトを迎えたベトナムで、ホテルやショップ、レストランなどのスタッフに気軽に声をかければ、きっととびきりの笑顔で応えてくれるはず。もちろん、お正月をちょっとばかり過ぎていても大丈夫。冬が終わり、新たな春を迎えるベトナムのお正月。ちょっと気が早いですが、来年は日本とは少し違った年越しを、ぜひ現地目線で楽しんでみてはいかが?
杉田憲昭(すぎたのりあき)
ベトナム初の日本語フリーペーパー「Vietnam Sketch」、ベトナム航空機内誌「Heritage Japan」ほか、隔週刊生活情報誌「at saigon」などを手掛ける編集プロダクション「オリザベトナム」所属。在ベトナム9年。ホーチミン市を拠点に、取材・執筆・撮影・コーディネートまで、ベトナムに関することならなんでもお任せ。
text:Noriaki Sugita