コスタ・デル・ソルはアンダルシアの地中海沿岸、タリファからアルメリアのガタ岬までを指す。温暖な気候で、美しい海岸線をもつこの辺りは、早くからインターナショナルなリゾートとして知られてきた。さんさんと光降り注ぐ“太陽の海岸”だ。

 ゴージャスなリゾートホテルの並ぶ海沿いの街。アンダルシアの白い村のキュートさを知らしめたのも、コスタ・デル・ソルだった。大きな港、小さな漁港。この海岸にはさまざまな顔がある。

 今回紹介するのは、マラガに行くなら必見のピカソ美術館。

» 第1回 ヴァラエティに富む“太陽の海岸”コスタ・デル・ソル
» 第2回 小さな港街エステポナのラグジュアリーホテル

Malaga (マラガ)

【Access】 マドリードからAVEで約2時間30分、飛行機で約1時間(マラガ国際空港へはヨーロッパ各地からのフライトもある)

 マラガ県の県都は、人口約57万人のスペイン第6位の大都市。国際空港があり、コスタ・デル・ソルの玄関口となっている。イスラムの城塞アルカサバには古代ローマ劇場の遺跡もあり、城壁の上からは街が一望にできる。

こぢんまりとして居心地のよい必見美術館
ピカソ美術館

肖像画だけを集めた展示室。右に掛かるのが2番目の妻、ジャクリーヌの肖像画で、1954年、パリで描かれた作品だ

 マラガ出身の有名人といえば、パブロ・ピカソとアントニオ・バンデラス……。ことにピカソは20世紀を代表する巨匠。知らない人は、まずいないだろう。

 彼はマラガで幼少期を過ごしたのだが、そのときから天賦の才を発揮していたのは、ご存じのとおり。また、この頃に見た闘牛や大好きだった鳩が、画題として頻繁に登場することも有名だ。

<次のページ> 小さな美術館ながら所蔵が充実しているわけ

photographs:Yuji Ono
realization & text:Satsuki Ohsawa
coordination:Terumi Moriya