2020年2月23日、天皇陛下は60歳の誕生日を迎えられた。誕生日を前にした記者会見では、「還暦」について、このように述べられた。

「即位の年齢については、歴代天皇の中では、より高齢で即位された天皇もおられますが、還暦を迎えるのに当たっては、もう還暦ではなく、まだ還暦という思いでおります」

 また、皇后陛下となられた雅子さまのご活動やご体調については、「近くで見ていると、とてもよく頑張っていると思いますが、決して無理をすることなく、これからもできることを一つ一つ着実に積み重ねていってほしいと思います。

 また、即位以来、忙しい日々を送る中でも、私や愛子にもいろいろと細かく心を配り、活動を支えてくれており、公私にわたり良き相談相手となってくれています。私も今後とも、できる限り雅子の力になり、支えていきたいと思っております」と述べられた。

特別展「令和の御代を迎えて」

 天皇陛下の即位を記念した特別展「令和の御代を迎えて」が皇居・東御苑の宮内庁三の丸尚蔵館で行われている。2月10日に両陛下は会場を訪れられ、雅子さまは春らしさを感じさせるメイクと装いだった。

 クールなトーンの中で、ブラウスの柄がパッと明るい印象を与えている。陛下のお誕生日に際してのご近影と同じお召し物のようで、特に気に入られているのかもしれない。

 この特別展には、即位に関する一連の儀式の様子と、それに伴って製作された調度品が多数展示されている。また、両陛下の幼少の頃からの写真やゆかりの品々も展示され、実物を見ることができる。

 実際に足を運んでみると、訪れた人が両陛下のお人柄に触れることができるような構成となっていて、お二人のカラーがはっきりと打ち出されていたように感じた。特に印象的だったのは、雅子さまのキャリアに光が当てられていたことだ。

2020.03.02(月)
文=佐藤 あさ子