屏東産カカオのチョコレートは
ユニークなフレーバーがいっぱい

 台湾土産のお菓子と言えばパイナップルケーキやミルクヌガーが定番となっていますが、ここ最近、話題となっているのが台湾産カカオを用いたチョコレート。いくつかあるブランドの中でも、筆頭に挙げられるのがここ「福灣巧克力」です。

 ここは2017年から、世界的な品評会である「インターナショナル・チョコレート・アワード(ICA)」で数々の賞を受賞してきました。そして、2019年11月には同大会のダークバーチョコレート部門で最高賞を獲得。その栄誉あるニュースは台湾中を席巻し、今や売り切れ続出という事態になっています。

 そんな話題性に富んだ「福灣巧克力」の若き創業者は元シェフの許華仁さん。台湾南部の屏東県生まれで、以前は家族が経営するヴィラ「福灣荘園」で腕を振るっていました。この時に地元産のカカオを食材として使ったことで、その奥深さに目覚めたと言います。

 2015年に創業後は、国際的なチョコレート鑑定士の資格を取ったり、カカオの生態学を学びにペルーへ赴いたり、研鑽を積んできました。

 現在、「福灣巧克力」は屏東にある130のカカオ農家と契約し、安定した品質を誇ります。広報担当の陳元慈さんによれば、チョコレート作りで重要なカカオ豆の発酵作業も自分たちで行っているため、様々な創意工夫ができるのだそうです。世界的な潮流でもある「ビーントゥーバー(栽培から販売まで一手に手がける)」方式を一早く採用しています。

 また、許さんが味覚に優れていることも大きな強みに。屏東県東港産の桜エビや有機栽培の胡椒、台湾原住民族のスパイスである「馬告」など、一見クセのありそうな食材を用いたフレーバーチョコレートが開発されていますが、いずれも良質な味わいに仕上がっています。

 取材の最後に、陳さんは「私たちは国際的な競争力に打ち勝つものを作り上げ、台湾に何かを還元できればと思っています」と語ってくれました。

 実際にここのおかげで、カカオ農家の若者たちが積極的に後を継ぐようになったとも言われています。国際社会における台湾ブランドのアピールだけでなく、地元における貢献度も計り知れません。

 「福灣巧克力」の商品は台北市内のセレクトショップでも購入できますが、2019年9月には台北101内に直営店がオープン。博物館をイメージしたというブースは商品が充実していますので、ぜひ覗いてみてください。

2020.01.19(日)
文・撮影=片倉真理