星野代表が実感する
女性旅のトレンド

 旅への意識ということだと、最近は「女性の一人旅」の企画が人気を集めている。そのあたりの変化を星野リゾートはどのように受け止めているのだろうか。

「星のや竹富島は女性の一人旅が多くて、みなさんゆったりと海を眺めているそうです。星のや京都も一人旅が多いので、一人用の部屋やプランを用意しています。

 やはり30代、40代の女性は情報感度が高いので、彼女たちを見ていると将来のトレンドが見えてくるんですね。

 だから、部屋の単価が下がる一人旅を嫌がるところも多いんですが、私たちは新しいサービスや商品を提供しようと取り組んでいます」

ライバルの多い北米市場には
意外なホテル形態で進出

 星野リゾートの将来を考えるにあたって大きなテーマとなるのは海外進出で、現在は台湾とインドネシア(バリ島)で星のやを展開している。

 そして2020年1月15日(水)にはハワイ・ホノルルで、既存のホテルのリニューアルオープンという形でサーフジャック ハワイの運営をスタートする。

「海外での事業をスタートして、たとえば1人のスタッフがさまざまな業務をマスターするマルチタスクなど、私たちの運営スタイルは海外でも通用することがわかりました。

 一方で、人事評価や予約時の為替の問題など、考え方を変えなければいけない点もありました。いずれにしても、海外に出たからこそわかったことで、行かないと学ぶことができないと感じています。

 北米は、星野リゾートとして絶対に進出しなければいけない場所です。北米で運営する力をつけるためにも、まずハワイでしっかりやりたいと思っています」

 年間約1,000万人弱が訪れるハワイは、世界有数の観光地。さまざまなタイプのホテルが林立する激戦区をあえて選んだ理由は何だろう?

「まず日本人がたくさん訪れる場所であるという理由がひとつです。

 もうひとつ、アメリカ本土から日本の星野リゾートにたくさんのお客さんが来ていますが、そこで関係を築いたエージェントも多い。

 したがって日本とアメリカからの集客が見込めるわけで、運営は比較的やりやすいと考えています」

文=サトータケシ