自分で雨を止める、という、不思議な体験
(C) Felix Clay. Rain Room - Random International 2012. Courtesy of Barbican Art Gallery
実際にこの「レイン・ルーム」を前にすると、とても激しい雨なので、最初は入るのを躊躇してしまいます。おそるおそる足を踏み出せば、本当に自分のまわりだけ、雨が落ちてきません。みんな思い思いに写真を撮ったり、歓声をあげたり、実に楽しそう。しかし、調子にのって早足で歩くと、3Dカメラのセンサーが間に合わないのか、見事にずぶ濡れになります。「ゆっくり歩いてくださいね、ゆーっくり」とは、係員の方からのアドバイス。普通に歩くスピードよりもやや遅い歩調で歩いているぶんには、数滴の水が落ちてくることはあっても、基本的に濡れることはありません。
(C) Felix Clay. Rain Room - Random International 2012. Courtesy of Barbican Art Gallery
一度に入場させるのは、10名程度なので、広々とした空間で「雨を楽しむ」ことができますが、そのぶん待つことも必須。11時のオープン時に到着しても1時間半待ちで、午後のピーク時には、3時間ほど待つこともあるようです。
自分で雨を止める、という、不思議な体験。待ち時間はあるものの、この時期にロンドンにいらっしゃる方には、ぜひおすすめのエキシビションです。
Rain Room
開催期間 2013年3月3日まで
入場料 無料
時間 11:00~20:00(木曜日のみ22:00まで、12月5日は18:00まで)
※待ち時間があるため、終了時間の約2時間前までに到着要。
住所 The Curve, Barbican Centre, Silk Street, London EC2Y 8DS
URL www.barbican.org.uk
Kazuyo Yasuda(KRess Europe)
ロンドンを拠点とする編集プロダクションKRess Europeの代表。現在、ヨーロッパでの生活をテーマとした初めての電子書籍を年内に刊行すべく、準備中。
text&photographs:Kazuyo Yasuda(KRess Europe)