良縁を運ぶ“縁雫”を感じて

◆星野リゾート 界 出雲

 島根県は“弁当は忘れても傘は忘れるな”といわれるほど雨が多い地域。その一方で島根県は縁結びの地であり、雨は良縁を運ぶ“縁雫(えにしずく)”と呼ばれているのだとか。

 そんな島根県の玉造温泉にある温泉旅館「星野リゾート 界 出雲」では、良縁を運ぶ雨でご縁を結ぶ、“縁雫(えにしずく)巡り”を期間限定で催す。

 土地に伝わる文化、“縁雫”にまつわる装飾や設えで館内を彩り、梅雨時の旅行に花を添える。

 館内を彩る“縁雫”を感じるポイントは4つ。

 そのひとつが、湯上がり処の吹き抜けの天井と太鼓橋を和傘でいっぱいにする“和ンブレラスカイ”だ。

 色とりどりの和傘は、隣県・鳥取県伝統の“淀江傘”。頭上に広がる美しい和紙の柄と竹の骨組みは鮮やかさと繊細さを兼ね備え、雨の日が芸術に変わることを体現しているかのよう。

 そこに、傘と傘の間から雫が降り注いでいるような装飾を施すことで、館内にいながら雨に濡れずに、島根県ならではの“縁雫”を感じられるという粋な趣向となっている。

 ポイントの2~3番目はトラベルライブラリーで催される、“雨音みくじ”と“遠距離手紙”。

 “雨音みくじ”を引くと、運勢や館内のラッキースポットといったメッセージが。

 引いたおみくじを館内の和傘に結ぶと、後日スタッフによって玉造温泉街にある「玉造湯神社」に奉納されるので、屋外で降り注ぐ縁雫の雨音と一緒に運ばれてくる良縁のご利益がきっとあるはず。

 大切な人へご縁を運ぶ“遠距離手紙”は、島根県西部で作られる石州和紙を使用した界 出雲オリジナルのハガキに手紙を書くというもの。距離が離れていても大切な人へご縁を運ぶことができる。

 そして最後のポイントが、“万華鏡”という名のアジサイが、敷地内のウッドデッキを鮮やかに彩ること。

 島根県が開発した“万華鏡”は、流通量が少ないため希少性が高い。また、ジャパンフラワーセレクションで最優秀賞を受賞している品種として、知る人ぞ知る存在だ。

 “縁雫”が降り注ぐ中、雫の滴るアジサイ“万華鏡”を愛でる。その体験は、梅雨とご縁を感じられる島根県、そして界 出雲ならではの貴重なひとときになるだろう。

 おいしいものを食べて、温泉に入り、ひたすらおこもり滞在がしたい。そんな人こそ梅雨どきの6月は、館内が情緒あふれる“縁雫”の設えで満たされた界 出雲へ。

 全室露天風呂付きの界 出雲なら、美肌の湯として名高い玉造温泉の湯浴みがゆったりと楽しめ、旬の素材をたっぷり使った料理が堪能できるのだから。

星野リゾート 界 出雲

所在地 島根県松江市玉湯町玉造1237
電話番号 0570-073-011(界予約センター)
https://kai-ryokan.jp/izumo/

文=立花奈緒(ブレーンシップ)