香港らしさにこだわった
雑貨やインテリアが人気のG.O.D.

香港らしさにこだわる雑貨はお決まりの中国テイストと異なる

インテリア用品～雑貨コーナー。G.O.D.らしい遊び心あふれた商品が揃う

 香港の文化を伝える雑貨たちも相変わらず人気だ。

 昔ながらのかたちを下町や古いエリアから抜き出し、消えつつある少し懐かしいそれらを雑貨として蘇らせる。

 古いアパート、郵便箱、昔の布等がパターン化され様々な雑貨に生かされている。

 一見してそれと分かる従来の中国みやげとは違い、安易に既存のチャイナテイストに頼らずあくまで香港らしさ、香港の街で見かけるものにこだわる。

 例えば赤い傘型ドームの傘は香港の生鮮市場などで照明として日常的に使われているものであり、実際に油麻地の古いアパートを撮影し、繋ぎ合わせたパターンや昔の求人広告も商品に生かされている。

喜ぶという字が横並びになったダブル・ハッピネスのモチーフをあしらったシリーズ。ダブル・ハッピネスは伝統的な結婚式で使われるデザイン

 お決まりの中国テイストとは一線を画す、オリジナルな香港ものにこだわるライフスタイルショップは、香港以外のチャイニーズにも新鮮な印象を与えたようだ。

 7月オープンしたシンガポール店の成功に続き、中国広州にも進出する。

 また香港内ではスターバックスとのコラボが大変好評で昔のカフェを再現したセントラル店に続いてオープンしたモンコック店は香港映画がテーマだ。

 観光客には何が中国で何が香港のイメージなのか、判別は難しい。

 実際に混ざり合っている部分もあるからだ。

 それでも香港のかたちにこだわり続けるG.O.D.の雑貨には地元の人の良く知る、香港オリジナル成分が必ず含まれている。

 次は何が雑貨に変身するのか、これからも楽しみだ。

最新のG.O.D.作品集「Hum Barn Larng」と伝統的な花柄の布を張ったノートブック。Hum Barn Larngは広東語で「すべて」の意味

text&photographs:Miyuki Kume